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ようやく進むか「地方交通のキャッシュレス化」 交通系ICカード以外の方法も

4/7(日) 18:01配信

乗りものニュース

「Suica」登場から18年 未導入の事業者も多い

 鉄道やバスにおける現金以外の運賃決済方法として、ICカード乗車券が広く使われています。そのおもなものであるJR東日本の「Suica」が誕生したのは、2001(平成13)年のこと。いまでは「Suica」をはじめ全国10の交通系ICカードで相互利用も可能です。

【写真】「交通系」じゃないICカード利用可のバス

 一方、地方の鉄道やバスにおいては、こうした交通系ICカードに非対応というケースも少なくありません。たとえば、茨城県内で路線バスを運行する茨城交通では、独自のICカード乗車券「いばっピ」を導入していますが、上記の交通系ICカードとの相互利用は不可。栃木県最大のバス事業者である関東自動車では、ICカードを導入していません。

 しかし2019年1月以降、関東自動車はスマートフォンを利用した「QRコード」決済サービス「PayPay」と「LINE Pay」を、いずれもバス会社としては日本で初めて導入。関東自動車と同じ「みちのりホールディングス」傘下の福島交通も3月27日(水)から、岩手県北バスは4月1日(月)に「PayPay」の取り扱いを始めました。

「QRコード決済などはこれから活発になるうえ、インバウンド(訪日観光客)に対応する観点からも、グループ各社においてキャッシュレス化を積極的に進めていきます」(みちのりホールディングス)

 いずれも、いまは窓口における乗車券などの購入に利用が限られていますが(岩手県北バスの仙台空港~花巻線ではアテンダントによる乗車券の車内販売でも利用可)、みちのりホールディングスは「技術的に可能になれば」としつつ、これを路線バス車内における運賃決済へ導入することも、キャッシュレス化のひとつの手段と考えているそうです。

バス車内のQRコード決済導入には課題も

 すでに、一部のバスではQRコードによる運賃決済が導入されています。九州の西日本鉄道では2019年2月、インバウンド利用を想定して中国のQRコード決済サービス「アリペイ」と「ウィチャットペイ」に対応する決済端末を、高速バス佐賀空港~福岡線に導入。降車の際に運転手へ申し出たうえで、「アリペイ」「ウィチャットペイ」のアプリ画面で表示される支払いコードを運賃箱上の読み取り端末にかざし、決済ができるようになりました。

 現在、経済産業省でも交通事業者向けに、QRコード決済を含むキャッシュレス決済の普及について検討を進めています。同省のキャッシュレス推進室によると、「ICカードは大がかりなシステム構築が必要ですが、QRコード決済は、極端にいえばQRコードが印刷されたシールを貼るだけでも導入でき、利用者のスマホひとつで決済が完結します」とのこと。ICカードと比べ、導入コストの面ではかなり有利だそうです。

 ただ、バス車内におけるQRコード決済の普及には課題も。西鉄の佐賀空港~福岡線は、大人片道運賃が1130円(佐賀空港~高速基山)と1650円(佐賀空港~福岡市内)の2通りしかなく、運賃の違いにも比較的容易に対応できますが、一般的に路線バスの運賃は、より細かく乗車距離に応じて変動します。その運賃変動への対応が課題になると、経済産業省でも想定しているものの、まだ方針は策定していないといいます。

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最終更新:4/9(火) 18:07
乗りものニュース

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