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素根、平成最後の女王に  “平成の三四郎”古賀総監督の助言を力に精神面急成長

4/7(日) 11:51配信

西日本スポーツ

 ◆全日本選抜柔道体重別選手権第1日 女子78キロ超級(6日・福岡国際センター)

 試合時間は9分に差し掛かろうとしていた。素根はライバルの疲れを見抜いた。「足元がふらついている。チャンスだ」。内股を仕掛けてきた相手に小外刈りで返し、技ありを奪って優勢勝ち。平成最後の大会も制した女王に過去2年の優勝で流したような涙はない。誇らしげに胸を張った。

【写真】試合を終えた素根(左)を迎える古賀稔彦・環太平洋大総監督

 新“師弟”コンビの勝負勘がぴたりと一致した。ゴールデンスコア方式の延長戦に突入してから3分すぎ。素根が攻め立て、相手に指導が与えられて指導2で並ぶと、環太平洋大で指導する古賀稔彦総監督が釣り手を上げるしぐさを繰り返した。平成の三四郎の異名を取った古賀総監督が現役時代に得意とし、素根が昨秋のグランドスラム大阪準決勝で朝比奈からポイントを奪って破った背負い投げの合図だった。

 「最初は組み手が厳しくてチャンスがなかったけど、勝ちパターンに乗ってきたと見えたので背負いを指示した」と古賀総監督は振り返る。素根も「自分のペースでいけると感じた」と両袖を持つ変則的な背負い投げを繰り返し、主導権を握って相手の焦りを誘った。

 環太平洋大で練習を始めて約3週間。大会まで時間がなく、福岡・南筑高時代に近い環境でのトレーニングを望む素根の意見を指導者たちも尊重し、普段は兄の勝さん(23)と二人三脚で練習し、研究をする。それでも1992年バルセロナ五輪男子71キロ級金メダリストの古賀総監督と師弟関係を結んだ効果は大きい。初めてセコンドについた今大会、動きが硬い素根に「大丈夫。絶対に投げられるよ」と励まし、緊張を解きほぐした。「気持ちを上げてくれた」と素根は感謝した。

 劣勢時に焦りがちだった高校時代と違い「最近は冷静に相手を見て試合をすることができるようになっている」と精神面での成長も自覚する。

 同じ福岡の高校から巣立った阿武教子以来の10代での3連覇。朝比奈には3連敗後4連勝でついに勝ち越した。「差はさらに縮まった」と日本女子の増地克之監督。21日の全日本女子選手権で決着する世界選手権の代表争い、さらには東京五輪代表を巡る争いで、18歳の女王が大きく前進した。

■10代での3連覇

 10代で3連覇以上を達成したのは、1993~96年に女子72キロ超級で優勝した阿武教子以来。5月生まれの阿武は福岡・柳川高時代に93年7月の大会を17歳で制すると、誕生日の8日前に行われた94年大会も17歳で制覇。明大入学後の95年は18歳で、96年は19歳で優勝した。72キロ級や78キロ級に階級を変えた20代も優勝を重ね、最終的に12連覇を達成している。

 女子48キロ級の田村亮子は福岡工大付高(現在の福岡工大城東高)1年で15歳だった91年大会で初優勝。95年大会まで10代で5連覇を達成し、最終的に2001年大会まで11連覇した。

西日本スポーツ

最終更新:4/7(日) 11:51
西日本スポーツ

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