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【特集】急増する「後継者難倒産」、2018年度は過去最多の420件が発生

4/8(月) 15:10配信

帝国データバンク

年度ベースで過去最多の420件、前年度から22.8%の急増

 国内企業における「後継者難倒産」が増えている。後継者が定まらないなか、代表者が病気やケガで死亡、あるいは営業現場から長期に離脱せざるを得なかったことなど、後継者不在で企業活動が困難になったことに起因した「後継者難倒産」は、2018年度で420件(前年度比22.8%増、前年度342件)に達した。年度ベースでは2013年度に調査を開始以来、過去最悪の水準だ。2017年度までは2年連続で減少していたものの、2018年度は一転して増勢に転じた。

目立つ「中小零細企業の後継者難倒産」、背景には代表者の高齢化も

 どういう企業が後継者難倒産に陥ったのか。業種別に見ると、2018年度で最も多かったのは「建設業」の83社で、全体の19.8%を占めた。以下、「小売業」(79社、構成比18.8%)、「卸売業」(74件、同17.6%)、「製造業」(73件、同17.4%)、「サービス業」(72件、同17.1%)となり、上位5業種で全体の約9割を占める。

 前年度から特に増加したのは、前年度比で約1.5倍に急増した「小売業」(前年度比49.1%増)。8業種中6業種で前年度比増加となった。

 また、企業規模別で多くを占めるのは「資本金1000万円未満(個人経営含む)」(227件)と「1000-5000万円未満」(180件)で、この2つで全体の9割超を占める。特に、「1000万円未満」の構成比は54.0%で、2013年度以降で最高。「後継者難」で倒産した企業の多くが資本金5000万円未満の中小零細企業だ。

 なぜ後継者難倒産が増えているのか。それには「代表者の高齢化」が一つの要因となっていると考えられる。後継者難で法的整理を申請した企業の多くは、代表が高齢化した中で突然の病気やケガに見舞われ、通常の営業活動ができなくなったケースだ。帝国データバンクの調べでは全国の社長平均年齢は59.7歳(「全国社長年齢分析(2019年)」)で、調査開始以降最高を更新。なかでも、「年商1億円未満」の企業では社長平均年齢が60.8歳と最も高く、小規模企業ほど社長の高齢化は顕著となっている。

 特に中小企業では、代表者自らが営業活動の中核を担っている場合が多い。それ故に、代表者の逝去や体調不良が企業業績に直結し、事業継続がままならなくなった企業は相当数に上る。また、企業規模が大きい企業でも、後継社長への引継ぎや育成が上手くいかず、経営が立ち行かなくなったことで事業清算を選択する企業も多い。

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最終更新:4/8(月) 15:54
帝国データバンク

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