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手すき和紙作りに不可欠 トロロアオイ 存続ピンチ 茨城県小美玉市

4/9(火) 7:01配信

日本農業新聞

後継ぎ育たず 「もはや限界」

 茨城県小美玉市の農家が、手すき和紙の粘材として用いられるアオイ科の植物「トロロアオイ」の作付けを2020年にやめることを検討している。同県は生産量で全国の9割を占めるが、生産者の高齢化が進んだことなどで、後継者が見つからないのが原因だ。このままでは国内の伝統和紙の生産にも影響が出かねず、新たな担い手探しが急務だ。(木村泰之)

 トロロアオイ産地の同市では、5月に種をまいて7月に芽かきをして根を太らせ11月に収穫、2月末に出荷する。約30年前は50戸ほどが栽培していたが、10年前に15戸、今では5戸に減少した。

 16年度は全収穫量17・4トン(日本特産農産物協会調べ)のうち、9割以上の17トンをこの5戸で担っていた。洗浄や箱詰めなどの調製作業も生産者で行っている。この10年間は、JA新ひたち野が生産者を引き止めながら出荷作業を行ってきた。しかし今年は、翌々年の出荷は厳しい旨の通達文を付けた上で出荷した。

 減少の背景は、高齢化と農業形態の変化だ。JA小川営農経済センターの松田順市さん(59)は「担い手がおらず風前のともしび。近年は注文の6割ほどしか応じきれていない」と、苦しい胸の内を明かす。

 トロロアオイの根を太らせるための芽かき作業は7月末の10日間、炎天下で毎日手作業で行う。さらに、生育を悪化させるネコブセンチュウに対応する薬剤や除草剤の登録がなく、収穫も手作業で省力化が進まない現状がある。

 トロロアオイを生産する農家は、ダイコンやカボチャなどとの複合経営をしてきた。農地の規模が拡大し機械で作業することが多くなるにつれ、機械化が進んだジャガイモや軽量な小松菜に切り替える農家が増えた。

 新ひたち野農協ネリ部会の部長の田上進さん(63)は5戸のうち最年少で、最年長は75歳だ。田上さんは2ヘクタールでジャガイモと20アールでトロロアオイを作る。田上さんは「炎天下では機械を使わない農作業が敬遠されることと、肝心の芽かき作業とジャガイモの収穫が重なり、トロロアオイに手が回らない」とこぼす。

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最終更新:4/9(火) 7:01
日本農業新聞

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