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新元号決めた「有識者懇談会」のメンバーを「女性」と分類したテレビ番組が物議。その根底にある“当たり前”の意識とは?

4/9(火) 14:44配信

ハフポスト日本版

4月1日に放送された日本テレビ系ニュースサイトの「News24」で、新元号決定に至る過程を説明する際、池上彰氏が「有識者懇談会」に出席した女性有識者を「女性」と分類して紹介した。これに批判が殺到している。

この騒動の背景にあるものを、明治大学国際日本学部教授・トゥールーズ第一大学客員教授、小笠原泰氏がハフポスト日本版に寄稿した。

平成の改元時、有識者メンバーに選ばれた女性は一人だった

新元号について有識者の意見を聞く「元号に関する懇談会」のメンバーは9人。男性7人、女性2人である。

番組側はせめて「男性が7人、女性が2人では、男女のバランスが悪いですね」と解説すればよかったものの、男性は「学識経験者」「法曹界」「経済界」「教育界」「マスコミ界」と所属する業界で分類した一方で、女性は「女性」とカテゴライズ。

メンバーの選考にあたっては、おのおの領域での実績および社会的評価と安倍政権との親和性を基準にしたのだろうが、直木賞作家の林真理子氏は文学界であり、大学教授である宮崎緑氏は、ノーベル賞受賞の山中教授と同様の学識経験者に分類されるべきであろう。にも関わらず、番組は2人の女性を、「女性」という分類にしたのである。

日本テレビは、「昔なら女性はほとんどいなかったのに、今回は二人もいます。まさに安倍政権の女性が輝く社会です」と“よいしょ”したかったのかもしれない。

今回と同様に、平成に改元する際にも、1989年1月7日に「元号に関する有識者懇談会」が開催されている。決まり文句の「国民の声を新元号に反映させる」との観点から、各界の代表者から8人が選定された。内訳はマスコミ界3人、教育界2人、学識経験者(文化勲章受章者)2人、女性は縫田曄子・元国立婦人教育会館館長の1人。全員が60歳以上だった。今回は、女性は2人になったので進歩なのだろう。まあ、30年で一人増えただけ、だが。

年齢はついて言えば、今回は山中教授が50代半ば、残りの8人は70代と60代が4人ずつである。国民の声の代表は高齢者であることは変わっていないようだ。

ハフポストの読者の多くは、言うまでもなくこの分類に違和感を感ずるであろう。しかし、天下の日本テレビで、解説が良識的な池上氏であっても、これをノーチェックでオンエアしてしまうところに、日本社会において「女は女」という考えがいかに染みついているかがわかる。

番組側は別段悪意があって、ああいう分類をしたわけではないだろう。制作者にとって「女は女」と括るのが当たり前だっただけである。当然、この「女は女」という括りには、女性を下に見る考えが根底にある。つまり、男性優位で、男の社会に女がいると言う認識だ。この端的な例は、「おなごのくせに」が依然支配的で女性市議がいたことがない鹿児島県垂水市であろう。

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最終更新:4/9(火) 14:44
ハフポスト日本版

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