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本庶佑氏、がん治療薬特許の対価引き上げ要求 「若手育成のため」

4/10(水) 20:59配信

産経新聞

 2018(平成30)年のノーベル医学・生理学賞を受賞した京都大の本庶佑(ほんじょ・たすく)特別教授(77)が10日、京都市内で会見を開き、本庶氏の研究をもとに小野薬品工業(大阪市)が開発したがん免疫治療薬「オプジーボ」をめぐり、特許契約を結んだ同社から支払われた約26億円を、契約に納得できない点があるとして受け取っていないと明らかにした。全額法務局に供託されているという。

 本庶氏は「若手研究者の育成のためにも、オプジーボの売り上げで得られる(特許料の)対価引き上げを求め、小野薬品と協議したい」と述べた。

 オプジーボは、本庶氏らが発見した免疫を抑制するタンパク質「PD-1」の研究成果をもとに、同社が実用化した。両者は共同で特許を出願し、平成18年に同社が特許を独占的に使用。本庶氏は対価を得るという契約を結んだ。

 この日の会見に同席した井垣太介弁護士は、18年に本庶氏個人と小野薬品が特許に関しての契約を結んだ際、同社からの対価の料率に関する説明が不正確だったと説明。当時の本庶氏が特許契約に関する知識が乏しかったと強調し、「本庶先生は研究で忙しく、弁護士に依頼する余裕もなかった。小野薬品ももう少し慎重なプロセス(過程)を踏むべきだった」と指摘した。

 対価の引き上げを求め、本庶氏らは23年ごろから小野薬品と交渉を開始したが、昨秋以降は実施されていないという。

 本庶氏は会見で「公正な産学連携のモデルを作らないと日本のライフサイエンス(生命科学)分野はダメージを受け、若手研究者もやる気を失う」と語った。

 本庶氏はノーベル賞の賞金を原資に設立した「本庶佑有志基金」にオプジーボの販売で得られる対価を充てたいとする考えを示している。

最終更新:4/10(水) 20:59
産経新聞

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