ここから本文です

連載「作家の流儀―横山秀夫さんに聞く」(2) 「家族」にこだわってきた理由とは 自由という負荷に耐え

4/11(木) 16:12配信

47NEWS

 横山秀夫さんの新作『ノースライト』のテーマの一つは家族。特に父と子の関係に光を当てている。主人公の青瀬稔が、離婚した妻と暮らす娘の日向子に会う場面は印象的だ。面会を前に何をどう話そうか懸命に頭を巡らす青瀬。日向子も気を使っている。青瀬自身の父との関係も重要な背景を成す。職場の同僚や施主の親子関係なども重層的に描かれる。インタビューの話題は家族や親子の問題に移っていった。(共同通信=田村文)

▽自分が発したとがった言葉の数々

Q 『半落ち』も、『クライマーズ・ハイ』や『64(ロクヨン)』も、「家族」が隠れたテーマですね。謎解きも面白いですが、描かれた家族のありようが心に刻まれました。

A いま挙げてくださった3作もそうですし、警察小説の短編でも「家族」に関していえば、実感の伴う一行を入れてきたという自負があります。これまで裏のテーマだった「家族」が、『ノースライト』では前面に出てきたのかな。

Q それにしても、出てくる人、出てくる人、みな不器用ですね。

A 一番遠慮がないようでいて、実は一番気を使わなくちゃならないのが家族なのかもしれません。遠慮しすぎて、不器用になってしまうところはありますよね。

Q 横山さんのお父さまってどんな方だったんですか。

A …ずばり、直球の質問ですね。そう…父はきまじめで遊びのない人でした。それがために、会社の中でうまく立ち回ることができず、責任を押し付けられたりして、心を病んでしまった。サラリーマンでしたが、家で療養している時間が長くて、幼かった私は、それがたまらなく嫌だった。良いことを思い出そうにも、父から父親らしいことを言われたことがなくてね。だからかどうか、自分に子どもができたとき、どう接していいか分からなかった。親子関係の自信のなさみたいなものがありました。だから、たとえ短編でも、家族や親子にこだわって書いてきたんです。

Q お父さまはいつ頃、亡くなったんですか?

1/3ページ

最終更新:4/11(木) 16:12
47NEWS

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事