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《ブラジル》陸軍兵士、勘違いで一般人の車に銃弾80発

4/11(木) 9:41配信

ニッケイ新聞

リオデジャネイロ西部で7日に起きた、陸軍兵士による音楽家のエヴァルド・ローザ・ドス・サントス氏殺害事件で、ドス・サントス氏の一家の弁護士が、兵士達の裁判を、軍事法廷ではなく、一般の司法機関で扱うよう要請する事を明らかにした。

 ドス・サントス氏は7日午後、妻と義父、息子、友人の5人で赤ちゃんが生まれる前のお祝いのパーティーに出かけたが、その途中、兵士らが乗る車両とすれ違った。
 事件が起きたのはその直後で、兵士達は停止命令も出さずに、いきなり車の後方から、80発以上の銃弾を浴びせた。
 ドス・サントス氏は背中に3発を浴びて即死。助手席にいた義父も、銃弾を浴びて病院に運ばれた他、負傷者や銃撃を逃れようとして車外に出た妻や息子、友人らを助けようとした通行人の1人が重傷を負った。
 陸軍司令部は7日に、「強盗犯から銃撃を受けたから正当防衛で反撃した」との兵士側の釈明内容を発表したが、その後目撃証言などを確認すると、兵士たちの釈明は虚偽だったことがわかり、この事件に関与した兵士は12人の内10人を現行犯として逮捕した。

 この事件の捜査と裁判は軍検察と軍の裁判所が扱う事になり、10日には逮捕された兵士達への尋問も行われた。
 フェルナンド・アゼヴェド国防相は10日、下院での公聴会で、「悲しい出来事だ。我々は厳密な捜査を行う。身内といえどもうやむやにはしない。最後まで徹底的に捜査し、迅速かつ、正当な形で裁判を行う」と語った。
 だが、国民の間では、この件の捜査は軍検察ではなく、リオ市警が行うべきとの声が高い。
 ドス・サントス氏一家の弁護士ジョアン・タンクレード氏は、ドス・サントス氏の遺体が埋葬された10日、同件の裁判を、軍裁判所ではなく、陪審裁判で扱うよう要請する意向を表明した。
 タンクレード氏は「加害者が嘘をつき、自分たちが殺した犠牲者にぬれぎぬを着せようとする動きがあった」「兵士を軍裁判所が裁くのは、身内を裁く事で公平性に疑問がある」とし陪審裁判にすべきだと主張している。
 また、タンクレード弁護士は、「遺族は一家の働き手を失い、経済的に困窮している」とし、11日に賠償責任を問う裁判も起こす。この裁判は国を相手取って行われ、ドス・サントス氏の義父らの治療費や精神面のケアのための費用なども、損害賠償の一部として請求される見込みだ。

最終更新:4/11(木) 9:41
ニッケイ新聞

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