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繰り返す鼻血は“家系”? 実は「オスラー病」という難病かも

4/12(金) 12:00配信

Medical Note

鼻血(鼻出血)は多くの方が1度は経験したことのある症状だと思います。鼻をかんだときにおきやすいですし、突然出ることもあります。お子さんが、鼻がかゆくていじると鼻血が出やすくなります。たかが鼻血と思われるかもしれませんが、その裏に別の病気が潜んでいることがあります。【東京都立多摩総合医療センター脳神経外科医長・太田貴裕/メディカルノートNEWS & JOURNAL】

◇「鼻血の家系」ってあるの?

「母もよく鼻血を出していましたし、おばあちゃんもそうだったようで、母からは『うちは鼻血の家系だから』と聞いています」「毎週のように鼻血が出ます」「ただ最近鼻血が出るときには15分とか20分くらい続くことがあるんです」。60代女性の患者さんはそう言います。鼻血が出たときには、ティッシュペーパーを小さく丸めて鼻の中に詰めているそうです。

でも、多くの方はそこまで頻繁に鼻血は出ないと思います。“鼻血の家系”ってあるのでしょうか?

この患者さんの問診と視診で、「鼻血」以外にも「手の指や唇に赤いポツポツがあること」「ご家族に同じ症状の方がおられること」を確認したうえで、「オスラー病」と診断しました。

◇なかなか診断されない病気

オスラー病は「遺伝性毛細血管拡張症(Hereditary Hemorrhagic Telangiectasia: HHT)」のことで、指定難病に認定され、日本には約1万人以上の患者さんがいると推定されています。ただ、症状が現れる場所が鼻腔(びくう)、脳、肺、肝臓、皮膚、消化器などさまざまで、受診する科も多くなってしまうために、患者さんがオスラー病と診断されるのが難しかったり、診断されるまでに時間がかかったりすることが多くみられます。また、自分がオスラー病で、症状が出ている、ということに気付いていない方も多いと思われます。

オスラー病には診断基準があります(この基準が決められた会議が開催された地名から「Curacao criteria<キュラソー・クライテリア>」といいます)。

1)繰り返す「鼻血」
2)皮膚や粘膜の「毛細血管拡張」(口唇、口腔、指、鼻が特徴的で、他に眼球結膜や耳も)
3)肺、脳、肝臓、脊髄、消化管の動静脈瘻(どうじょうみゃくろう)や動静脈奇形(いずれも動脈と静脈が末梢<まっしょう>血管を経ずにつながる病気で、まとめて「シャント=短絡」と表現することもあります)
4)第1度近親者(両親、兄弟姉妹、子ども)にこの病気の患者さんがいる

この4項目のうち該当するものが3つ以上あると「確診(definite)」、2つで「疑診(probable)」、1つだけならば「可能性が低い(unlikely)」とされます。ただし、子どもは普通でも鼻血が出ることがよくあります。また、この基準の「鼻血」には量や回数に決まりはありません。ある程度の年齢になってから出現する症状もあるので、子どもは該当項目が2つであっても、注意して観察することが必要です。

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最終更新:4/12(金) 12:00
Medical Note

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