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閑静な住宅街に突如現れた、高級食パン屋「どんだけ自己中」 なぜその名前に?

4/12(金) 7:00配信

アーバン ライフ メトロ

プレオープンの日は、開店前に「完売」

 清瀬市や横浜市菊名の「考えた人すごいわ」、中野区の「うん間違いないっ!」、北海道札幌市の「乃木坂な妻たち」。近年、パン屋らしからぬ衝撃的な名前を冠した高級食パン屋が増えています。

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 これらのパン屋のプロデュースに携わるのは、ジャパンベーカリーマーケティング(横浜市)の代表取締役社長であり、ベーカリープロデューサーの岸本拓也さん。自らも、13年続くベーカリーのオーナーを務めながら、全国のさまざまなパン屋をプロデュースしています。

 そんな岸本さんプロデュースのもとで、新たなパン屋が荻窪に誕生しました。その名も「どんだけ自己中」。会話を切り取ったかのようですが、正真正銘、パン屋の名前です。しかも、高付加価値の高級食パン――。

 プレオープン日である2019年4月5日(金)、取材に向かったところ、その存在感の強さに圧倒されました。まず、店の姿が見えないうちから、周囲には芳醇なパンの香りが充満。さらに、白い看板に黒く大きく書かれた「どんだけ“じこちゅー“」の文字が、強烈なインパクトを醸しており、振り返る人や写真撮影する人も見受けられました。

 開店時刻(この日のみ12時)に訪れた時には既に、店頭に「本日分は完売しました」と書かれた看板が置かれ、そうとは知らず詰めかけるお客ひとりひとりに丁重に説明をする店の人の姿もありました。「もう売り切れちゃったのね」「また来ようかしら」とひとりふたり立ち去るとともに、新たなお客が「パン、もうないんですか?」と詰めかけ、てんやわんや。

 この日、用意されていた食パンは100個。ですが、8時半からでき始めた行列は、みるみるうちに150人へと拡大し、開店を前にして、整理券が終了したそうです。

居酒屋を展開してきた会社の挑戦 「食パンを売るのは初」

 同店で販売される食パンは、プレーンの「自己中な極み」(800円)と、サンマスカットレーズンを練りこんだ「自己中アンサンブル」(980円)の2種類で、テイクアウトのみ。どちらも、厳選した小麦粉をはじめ、国産バターや生クリーム、京都の老舗「金市(かねいち)商店」の蜂蜜を使用しているといいます。

 そんな同店の運営元は、ジャパンベーカリーマーケティング(JBM)とは別会社のリディファインダイニング(渋谷区桜丘町)。JBMとの間で「パン屋をつくろう」と合意ののち、JBMからの提案を吟味、選択し、運営を行なっています。

 同社は飲食事業を手がけていますが、これまでに展開してきたのは、京風もつ鍋などを扱う「もつ吉」や、鶏肉料理の「とり吉」、魚料理の「うお吉」など、「居酒屋事業」ばかり。食パンは初といいます。なぜ、同社は「居酒屋」から「食パン」へと乗り出したのでしょうか。

「代表も私も、常に『新しいことをやりたい』という思いを抱いていました。テイクアウトの業態も今回が初めてです。居酒屋ですと、お客様の滞在時間は約2時間。一方テイクアウトは、ほんのわずかな時間です。その『一瞬』で、どれだけ出来るのかをやってみたいと考えました」

 そう話すのは、同社の執行役員 登神達朗(とうしん たつお)さん。実家は寿司屋。小学生のころから家業を手伝ったのち、鉄板焼きやイタリアン、銀座のホテル、さらに居酒屋で接客業に従事。一個人としても、パン屋は初めてという登神さんですが、パン自体は元々好きだったといいます。さらに家族も。

「妻がパン屋で働いていまして。姉も、姉の旦那さんもパン屋さんなんです。パンが好きだなぁというのはずっと言っていたのですが、改めて社内でプレゼンを行い、新しい事業として一任させてもらえることになりました」

 なお、「どんだけ自己中」のある場所は、元々は同社の居酒屋「うお吉」の実店舗だったといいます。「ここは、駅と住宅街との途中にあります。そのため、周辺住民にも視認されやすい。『うお吉』は、パン屋を開店させるために閉店し、近隣にある系列店『もつ吉』にメニューだけを『移転』させました」と話します。

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最終更新:4/12(金) 12:41
アーバン ライフ メトロ

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