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日系社会の遺産調査(45) アグア・リンパ植民地に残る 安瀬商会の「コーヒー精選・精製工場跡」

4/12(金) 7:11配信

サンパウロ新聞

 サンパウロ州アラサツーバ市から16km離れたノロエステ地方アラサツーバ管内日系社会の最古の移住地となるアグア・リンパ植民地(旧ビリグイ植民地)には、開拓当初のコーヒー産業を牽引した実業家・安瀬盛次(あんぜ・もりじ、1892~1971年)の邸宅跡、コーヒー精選・精製工場が当時のまま残されている。

 安瀬は1915年に、同地でコーヒー農園を購入し、その生産を支える精製所を建てたとされる。その後、アラサツーバ市内に「安瀬商会」を立上げ、精選、精製工場を経営し同地のコーヒー生産を牽引した。安瀬は57年に南米銀行副頭取に就任し、同地を出ている。

 利用されていた当時、工場からコーヒー農園までは、陸橋で繋がっており、収獲した豆を乾燥、精製、出荷などの次工程へ送ることを意識した造りになっている。工場の隣には、輸送用トラックの積み荷場もある。また、精製所の敷地内には、農業者が生活用品を付けで購入できる商店など、初期移民の生活の拠点となっていた。建物裏側には、単身移住者の寮や、馬小屋なども設けられていたという。

 安瀬の邸宅は、精製所の向かいに当時のまま残されており、現在居住者はいない。同地で生まれ育った山田英一さん(84歳、日系3世)によると、安瀬が居住していた頃は、年始に近隣の居住者を招いて宴会が行われることもあったという。

 現在、同地は日系3家族のみとなり、コーヒー生産は行われていないが、当時のままの精製機などは現在も使用可能だそうだ。(つづく)【戸田和敬】

サンパウロ新聞

最終更新:4/12(金) 7:11
サンパウロ新聞

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