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【米朝会談取材の舞台裏】⑦突然の変更 ベトナム首都ハノイ・プレスセンター

4/13(土) 7:12配信

47NEWS

 「プログラムに変更があった」

 会談2日目の2月28日、トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の昼食会予定時間から40分過ぎた午後0時35分、ホワイトハウスの広報担当がプール取材の米記者団に突如告げた。

 取材団からのメールに、プレスセンターで待ち構えていた大勢の記者に困惑の色が広がった。

 その数分後、サンダース大統領報道官が「会談は続いているが、後30~45分で切り上げ(宿泊先の)マリオットに戻る」と伝え、記者会見の時間が午後4時から午後2時に早まったと語った。

 予定にあった署名式の行方については明らかにしなかったが、会談が不調に終わったとの見方が濃厚になり騒然とした。

 朝始まった会談は一見、順調に見えた。金正恩氏は一対一の会談冒頭、ワシントン・ポスト紙のデービッド・ナカムラ記者らでつくるプール取材団の「自信はあるか」との問いに「悲観視していない。いい結果が出ると感じている」と答えた。

 米メディアは「欧米メディアの質問に金正恩氏が初めて答えた歴史的な瞬間」と報じた。

 金正恩氏はその後の拡大会合の冒頭でも米記者団に応じた。ただ質問が続いたため最後には「(トランプ大統領との会談)時間をいただきたい」とわずかないらだちも見せた。

 昼食会場には、名前プレートやメニューが置かれたテーブルが準備されていた。だがそこには誰も現れず、午後1時25分にトランプ氏の車列は会談会場を離れた。ホテルまでの道中にホワイトハウスは「合意に達しなかった」との声明を出し、プール取材団が午後1時37分にメールを回した。

 記者会見を終えたトランプ氏は午後3時9分にホテルを出発し、午後3時33分に空港に到着した。見送りの要人らに手短にあいさつし午後3時51分には離陸した。

 トランプ氏は機内から安倍晋三首相と韓国の文在寅大統領に電話し、会談内容を伝えた。給油などのため寄ったアラスカ州で、サンダース氏が北朝鮮側の反論記者会見のことをトランプ氏は知っていると記者団に説明したが、詳細には踏み込まず。そのままワシントンに戻った。

 大統領専用機で同行した米テレビ局の記者は「通常なら大統領か高官か報道官か、とにかく誰かが記者にオンレコ、オフレコ問わず説明することが多い。ところが今回は全くなかった」と振り返り、全てが準備不足だったと評価した。(ハノイ共同=仲井大祐 )

最終更新:4/13(土) 13:59
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