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輸入規制撤廃の戦略狂う=「食品輸出1兆円」に影-WTO禁輸容認

4/13(土) 7:52配信

時事通信

 韓国による日本産水産物の輸入禁止措置を、世界貿易機関(WTO)が11日(日本時間12日未明)、事実上容認した。

 日本は韓国の禁輸解除をてこに、日本産食品の輸入を規制している他の国・地域への解除要請を強める戦略だったが、水を差された形だ。規制を撤廃する動きが弱まれば、政府が目指す食品輸出1兆円の達成にも影を落としかねない。

 「韓国を突破できなければ輸出なんて増えるわけがない」。12日午前の自民党の水産関連会議では、水産庁幹部に向けられた議員の怒号が飛び交った。「日本の主張が退けられた意味を考えなくては」と、事態の深刻さを案じる声も上がった。

 東京電力福島第1原発事故後、一時は54の国・地域が日本産食品に対し禁輸や検査強化などの規制を実施。その後、安全性を示すデータが蓄積されたことで規制撤廃の動きが加速したが、それでもまだ23の国・地域が規制を設けている。

 中でも、韓国を筆頭に8カ国・地域が禁輸を続けており、中国は福島など10都県の食品について輸入を認めていない。昨年10月の日中首脳会談で規制緩和の機運が高まったが、禁輸を解かれたのは新潟県産のコメだけ。5県からの輸入を停止している台湾では、昨年11月の住民投票で禁輸を続けることが決まった。

 上級委の判断が示される直前まで、政府内では勝訴するとの楽観的な見方が多く、「他の国への説得材料にする」(農林水産省幹部)と張り切る声も聞かれた。前提が崩れたことで、戦略の練り直しを迫られている。

 政府が掲げる農林水産物・食品の輸出目標は2019年に1兆円。18年は9068億円だった。 

最終更新:4/15(月) 14:06
時事通信

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