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【数字から見えるちば】「観光農園」販売金額全国4位 温暖な気候、四季折々の作物

4/13(土) 7:55配信

産経新聞

 □ちばぎん総研主任研究員・船田映子

 観(み)るだけ・食べるだけの観光から、触れてみる・やってみるといった体験型観光が人気を集めている。その体験型観光の定番といえば、イチゴ狩りなどの観光農園だろう。

 千葉県の観光農園の売上額は、フルーツ王国の山梨県や長野県、農業王国の北海道に次ぐ全国第4位となっている(平成28年度6次産業化総合調査報告)。上位4道県のうち、農業産出額全体でも全国上位に入るのは千葉(4位)と北海道(1位)だけで、2位の長野の農業産出額は全国13位、1位の山梨は同34位に沈む。

 農業産出額が多くないにもかかわらず観光農園販売金額が多い2県は、主力作物が高価格帯の果実(ブドウ、桃、サクランボ、リンゴ)に偏っているのが特徴。一方、千葉では、サクランボなどの高額作物の栽培は行われていないが、温暖な気候に恵まれて、四季を通じてさまざまな作物が収穫できることが強みとなっている。

 一例を挙げれば、冬から春にかけて花、イチゴ、タケノコ、夏はビワやブルーベリー、トウモロコシ、秋は梨やサツマイモなど。農業産出額が大きい強みを生かして、対象をキュウリやトマト、小松菜などにも広げられるポテンシャルも有している。

 また、アクセスの向上も観光農園に追い風となっている。圏央道・外環道(東京外かく環状道路)の開通やLCC(格安航空会社)路線の拡大に伴い、近年は東京のみならず、北関東や中部・関西からの観光客も増加している。

 また、成田空港を擁する大きなメリットを生かして、インバウンド客も増加しているという。日本の品質の良いフルーツ類は、海外では数倍の値段で売られることもあり、そのような高級品を、手頃な値段で収穫して食べられ、収穫の姿がインスタ映えもするというのは、彼らにとって大きな魅力なのだろう。

 県は3月に公表した「第3次観光立県ちば推進基本計画」で、令和5(2023)年の県内観光客数目標を平成29年比2100万人増の2億人とし、「体験型観光の磨き上げ」を戦略に掲げるなど観光農園に対する期待も大きい。今後、観光農園を6次産業化の柱の一つとして育て上げるには、農家民泊など宿泊とセットにして消費単価を上げたり、種まきから収穫までの機会で何度も訪問してもらったりする工夫も必要となろう。

 地域全体が活性化する取り組みも欠かせない。千葉市では、イチゴ観光農園同士が団結し、状況に応じて連絡を取り合い、空きのある近隣農園へ誘導するなど、「売り逃し」を地域全体で回避する取り組みが進められている。このように、事業者同士で連携することが、地域全体の観光農園が「稼げる」産業として成長するための鍵を握っている。地域全体でおもてなしイベントを開催したり、近くの観光地や観光資源と連携して、地域での滞在期間を長くする仕組みも検討に値しよう。

 子供たちの食育にもつながる収穫体験を身近に楽しめることは千葉県民の特権である。ゴールデンウイーク期間中10連休の方も多いと思うが、皆さんも収穫を体験してみてはいかがだろうか。(寄稿、随時掲載)

最終更新:4/16(火) 23:50
産経新聞

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