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瓶の中で舞うトランプ、蝶…華麗な“切り絵ボトルアート”にSNSで称賛の声

4/13(土) 9:30配信

オリコン

■『全国カレンダー展』で銀賞受賞、改めて考えたボトルに入れる意味

――制作工程や所要時間を教えてください。

【カミヤ・ハセ】まずはボトルの内側を、菜箸などを使いながらアルコールティッシュで隅々まで磨き、届かない場所を確認します。
・届かない場所には、編み棒、熊手、など色々な形の棒を組み合わせて、届くように道具を自作します。
・ボトルの形に合わせて構図を考え、切り絵を作製します。
・下に配置するパーツから順にボトルに入れ、中で開き、ひとつずつ接着していきます。

 制作時間は、作品によって全くバラバラですが、複雑な構造のものは、ボトルに配置するだけで3日ほどかかりました。難しいのは幾何学的に整然と配置することです。

――特に苦労する工程、楽しい工程は?
【カミヤ・ハセ】折り畳んで容器に入れたり、中で開いたりしているうちに、せっかく作った切り絵が壊れてしまうことがあって。やり直したり、構造を考え直したりしなければならないことには苦労しますね。楽しいのは、次に何を作ろうか考えながらガラス容器を物色している時間です。

――『第69回全国カレンダー展』(2018年)で銀賞を受賞されています。

【カミヤ・ハセ】カレンダー展の作品は、実験器具の製造販売企業様からのご依頼でした。それまではお酒と香水のボトルだけを使っていましたが、フラスコやビーカーや、見たこともないようなガラス器具を使わせて頂いたのは良い経験になりました。改めてボトルに入れる意味を考えるようになり、今ではボトルに限らず、花瓶や鉢も使っています。切り絵をボトルに入れる意味は、「ボトルに入れること」自体が目的なのではなく、切り絵を空間に配置するための手段なのだということを改めて思うようになりました。飛び回る蝶々、風に舞う羽や木の葉、降り積もる雪、襲ってくるトランプ、などの表現は、ガラスに囲まれた空間の内側だからこそでき得ることだと思います。

■ボトルに詰めるということが、まさにボトルネック

――ほかに、お気に入りの作品や力作と言えるのは?

【カミヤ・ハセ】ボトルに詰めるということが、まさにボトルネックになっていて。なかなか作品の密度が上がらず、まだ力作と言える作品までたどり着いていない感じがします。今取り組んでいるのは、中の「切り絵の立体化」。まだまだ小作品ですが、これから深掘りしていきたい方向性が「桜天女」です。

――カミヤさんによって、使い終わったビンも新たな命を吹き込まれ、作品として再生します。

【カミヤ・ハセ】捨てられる運命のビンですが、私が作品として再生しても、その作品もまた、いずれは捨てられる時が来ます。私の作品を捨てる時には、一体何ゴミとして出せばいいの? と自分でも考えます。中の切り絵を取り出して、燃えるゴミとガラス瓶とに分別しないといけないと思いますが、大変面倒で申し訳ないことです。

――最後に、今後挑戦したい作品・活動を教えてください。

【カミヤ・ハセ】まずは目前に迫っている『八百万之紙&切藝展・参』(4/13~21上野)です。神業と言われる切り絵、紙工作をはじめ、レジン、ソープカービングもあり、実力のある作家さんが揃う大人気企画ですので今準備に追われています。今後は、平面や半立体の切り絵作品も、もっと制作したいと思っています。切り絵ボトルアートと平面の切り絵、和紙コラージュでそれぞれ得た技術やセオリーが統合されて、より高い次元を目指せたらいいなと思っています。

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最終更新:4/19(金) 15:55
オリコン

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