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白石和弥監督「麻雀放浪記2020」 己見失わぬ姿、心にグサリ

4/13(土) 10:00配信

産経新聞

 名作「麻雀放浪記」(昭和59年、和田誠監督)をリメークした白石和弥監督(44)の「麻雀放浪記2020」は、麻雀に命をかける若き天才雀士の成長物語をSFコメディーに仕立てた野心作。出演者の逮捕で上映が危ぶまれたが、ノーカットでの公開を決断した。白石監督は「作品自体に何の罪もない」と訴えた。(高橋天地)

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 原作は阿佐田哲也(1929~89年)の人気小説。昭和20年の日本から2020(令和2)年へタイムスリップした天才雀士の哲(斎藤工)が国策イベント「麻雀五輪」で人工知能の雀士を相手に奮戦する姿を軽快に描く。

 オファーを受けた白石監督は、「原作も前作も青春物語の名作。断る理由がない」と快諾し、共同脚本も担当。混乱した世の中を力強く生き抜く若者の姿を描いた前作を踏襲しながらも大胆に脚色した。「似た作品でも芸がない。社会風刺を利かせたポップなSFコメディーにすれば、お客の心にグサリと刺さるはず」

 意気込んで完成させた作品に襲いかかったのが、元東京五輪組織委員長役で出演したピエール瀧被告(52)の麻薬取締法違反による逮捕、起訴という事態だった。

 「凶悪」「日本で一番悪い奴ら」など数多くの作品で瀧被告を起用してきた白石監督は、「意図せず人を威圧するような、独特な存在感がある」と高く評価。事件には大きな衝撃を受けた様子だ。

 5月17日公開の「居眠り磐音」(本木克英監督)は、瀧被告の出演場面を代役で撮り直す方法を選択したが「芸は一朝一夕では身につかず、代役なんてきかない。作品と俳優の私生活は関係がなく、作品に罪はないのではないか」と批判的に見る。

 瀧被告をめぐっては、公開自粛が過去の出演作にまで及ぶなど「過剰反応」を懸念する声も多いが、一方で、強い影響力を持つ著名人の犯罪には厳しくあたるべきだとする意見もある。果たして観客はどのように受け止めるのか。

 最後に瀧被告の存在も念頭に「どんなに生きづらくても、主人公・哲のように自分を見失わず、しっかりと己を保っていくことが重要。それが観客に伝わればうれしい」と語った。

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 【あらすじ】昭和20年、20歳の天才雀士、坊や哲(斎藤工)は歴戦の強者と対戦中、東京五輪が中止となった2020年へタイムスリップ。敏腕の芸能プロデューサー(竹中直人)と出会い、麻雀の強者として人気者に。だが、国策イベント「麻雀五輪」ではAI(人工知能)雀士(ベッキー)に大苦戦し…。

最終更新:4/13(土) 10:00
産経新聞

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