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日本電産“EVビジネス”1兆円の勝算

4/13(土) 12:07配信

ニュースイッチ

プラットフォーム参入で総力戦

 2025年をめどに電気自動車(EV)用プラットフォーム(車台)事業に参入することを決めた日本電産。中国などのEV新興メーカーを中心に売り込み、30年度には約1兆円の売上高を目指す。自動車市場では次世代技術「CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)」への対応が加速している。同社は重点的に強化しているEV事業の成長スピードをさらに加速させる。

 今月中には中国でEV向け駆動用モーター量産工場の稼働を開始するなど、EV関連事業の拡大を図っている。電動化に伴う部品点数の減少から自動車産業の構造が垂直統合から水平分業に変わると判断。新しいビジネスモデルが必要としてプラットフォーム事業への参入を決めた。

 吉本浩之社長は「中国の自動車市場の伸びが減速している。米中貿易摩擦だけではなく、小型車減税制度が廃止されたことも影響している。それでも特にEVなどの新エネルギー車は成長している。車の電動化は、非常に大きな波が押し寄せている」と話す。

 実際、「トラクションモーターシステム」と呼ばれる駆動部品が中国の量産車に初めて採用された。中国車大手の広州汽車集団の子会社、広汽新能源汽車の新型EV「Aion(アイオン)S」に搭載される。

 「完成車や1次部品のメーカーから多くの引き合いがあり、大忙しだ。モーターとギア、インバーター(電力変換装置)を一体にした『トラクションモーターシステム』をはじめ、顧客の要望に応じたモーターを提供できる。中国のほか、ポーランドやメキシコの3極で生産する」と吉本社長。  

 次世代の開発も着々と進む。このほどEV用のインホイールモーターも開発した。ホイール内蔵型の駆動用電気モーターで、試作品は20インチのホイールに収まる大きさ。重量は32キログラム、出力100キロワットでガソリンエンジンに置き換えると排気量1800ccクラスに相当する。後輪、前輪、4輪の各駆動方式に対応可能。2023年頃の量産を目指している。

 インホイールモーターは車輪ごとに独立制御でき、車の設計自由度が高まる利点がある。富士キメラ総研(東京都中央区)によると同モーター市場は30年に386億円規模への成長が予測される。国内ではNTNなどが手がけている。

 プラットフォームの主要部品の中うち、バッテリーシステムなど半数程度は同社が手がけていないことから、他社との協業なども進めていく考え。

 同社は20年度に車載事業の売上高をM&A(合併・買収)の効果も含めて1兆円を掲げている。EV向け製品のラインアップの充実も図りながら、30年度には同事業で4兆円の売り上げを目指す考えだ。

 永守重信会長は「EV化で異業種の新規参入は増える。かつてのテレビやパソコンと同じく、自動車産業はサプライチェーンの大きな変化が起こるだろう。規模の大きい会社、歴史ある会社が強いとは限らない」と自信を見せる。

最終更新:4/13(土) 12:07
ニュースイッチ

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