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「就活セクハラ」は禁止されていない?セクハラ関連法が改正されても就活生は守れない

4/13(土) 12:10配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

職場のセクハラにどう対応するか。法律の改正に向けた国会での審議が、いよいよ始まる。

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しかし、提出された法案にはセクハラ行為そのものを「禁止」する文言はない。さらに、最近その深刻な被害が明らかになってきた「就活セクハラ」に関して、学生は法の対象にすらなっていないのだ。

セクハラの禁止規定がない

4月11日、東京・永田町で「就職前の学生も守って!セクハラ法改正4.11緊急集会」が開かれた。

今回の法改正は、2018年6月に財務省前事務次官のセクハラ問題を受け、政府が職場のセクハラ対策の強化を発表したことがきっかけだ。厚生労働省の労働政策審議会での審議を経て、男女雇用機会均等法(雇均法)の改正案などが国会に提出された。

労働法や職場のハラスメントに詳しい、労働政策研究・研修機構(JILPT)の内藤忍さんは、集会の冒頭で改正案に疑問を呈した。

「『セクシュアル・ハラスメントの禁止』という文言がないんです。禁止規定がないということは、有効な救済規定もないということです」(内藤さん)

セクハラについて定めているのは、雇均法11条だ。現行法では、事業主つまり企業などに対して、社員がセクハラによって不利益を受けたり働きづらくなったりしないよう、相談に応じ、適切に対応するために必要な体制を整えることなどを求める「措置義務」に止まっている。

つまりセクハラ自体が禁止されているわけではなく、事業主がセクハラに対してやるべきことが書かれているだけだ。事業主がこれを守らない場合は都道府県の労働局から行政指導が入り、企業名を公表する規定もある。しかし、ほとんどの企業が指導内容にすぐに従うため、企業名は公表されない傾向にある。

そもそも労働局が事業主に指導できるのは措置義務違反についてのみで、起きた行為がセクハラかどうかの法的判断には関与できず、謝罪や反省を求める被害者のニーズを満たしていないことも多い。

違法な行為だと判断されるには民法上の不法行為に該当するかどうか、被害者が訴え、裁判で争わなければならないが、裁判は経済的、時間的、精神的な負担も大きくハードルが高いのが現状だ。

集会を主催した、女性研究者らの団体「真のポジティブアクション法の実現を目指すネットワーク(ポジネット)」では、法律に禁止規定を設け、被害者のニーズに合った救済が得られるよう求めてきたそうだが、改正案では結局盛り込まれなかった。

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最終更新:4/15(月) 10:16
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