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車中泊被災者の把握に課題…自治体の計画策定5割

4/13(土) 6:15配信

読売新聞

 災害時に車中泊や在宅避難をする「避難所外被災者」について、政令市や県庁所在市など主要105自治体の半数が、所在の把握方法を定めていないことが読売新聞の全国調査で分かった。14日で発生3年の熊本地震では車中泊が相次ぎ、自治体が被災者の所在をつかめず、200人を超える関連死を生む一因になった。「見えない被災者」の対策が進まぬ実態が浮き彫りになった。

 車中泊は、持病悪化や肺塞栓(そくせん)症(エコノミークラス症候群)を引き起こす危険性が高まる。車中泊が問題化した2004年の新潟県中越地震では犠牲者68人のうち関連死が52人を占めた。震度7を2度観測した熊本地震では建物の倒壊を恐れるなどし、数十万人ともいわれる避難所外被災者が発生した。日中移動する車中泊は把握が難しく、自治体からの物資などが届かない被災者も多かった。

 読売新聞は3月、東京23区と県庁所在市、政令市、中核市の計105自治体に避難所外被災者への対応を尋ね、全てから回答を得た。

 地域防災計画などで具体的な把握方法を定めていなかったのは札幌市や宮崎市など50自治体(48%)。首都直下地震で10万人を超える避難者を想定する東京都葛飾区は「応急・復旧業務と並行して、これだけの人数をつかむのは難しい」とする。松山市はボランティアの手を借りる場合、被災者の個人情報の取り扱いがハードルになるとした。

 一方、把握方法を定めた自治体の多くは、住民らでつくる自主防災組織の活用を想定していた。ただ、「移動する被災者もおり、全てを把握することは困難だろう」(岐阜市)とする声もあった。

 内閣府によると、首都直下地震で最大430万人、南海トラフ巨大地震では最大620万人が避難所以外に避難すると想定される。国は携帯電話の位置情報を利用し、車中泊などが発生した可能性が高い場所を探すシステムを開発中。ただ、避難所への避難を原則としており、車中泊への対応方針は定めていない。

 兵庫県立大の室崎益輝教授(防災計画)は「避難所外被災者を把握できなければ、関連死を防ぐための支援もできない。自治体だけでは限界があり、事前に地域住民らと対応を決めることが大切だ。避難所に人があふれ、避難所外を選ぶ人もいる。民間施設の活用を含めた避難所の整備も進めるべきだ」と指摘している。

最終更新:4/17(水) 1:19
読売新聞

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