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史上初「ブラックホール」写真で火が付いた、「視覚中国」の写真版権問題

4/13(土) 11:30配信

東方新報

【東方新報】史上初の「ブラックホール」の写真がどのように撮影されたのかについて科学的な説明も行きわたっていないうちに、「ブラックホール」写真の版権をめぐる論争がインターネット上で始まった。

 10日夜にSNS上で多くの人がアップしたブラックホールの写真が、ビジュアルコンテンツサービス「視覚中国(Visual China Group)」の版権問題論争に飛び火するとは、誰も想像さえしなかっただろう。11日午後8時の時点で、「視覚中国」の公式サイトはアクセス不能となっており、画像のダウンロードもできない状態だ。11日午後10時50分になっても復旧していなかった。「視覚中国」は、これについてコメントをしていない。

 ■「視覚中国」にブラックホール写真の版権はあるか

 10日夜、世界6都市で、初のブラックホールの写真が同時公開された。この欧州南天天文台(European Southern Observatory)が公開した史上初のブラックホール写真は、人々の科学への情熱と興味を呼び起こした。中には、ブラックホール写真を加工した「コラージュ画像」コンテストを始める企業やネットユーザーまで出現した。

 しかし、11日になると「視覚中国」のサイトにブラックホールの写真が掲載され、この写真を商用利用する場合は電話で連絡するよう記されていた。これを見た人々は、ブラックホールの写真を使用すれば「視覚中国」に料金を支払わなければならないということだと理解した。

 その後、中国科学院(Chinese Academy of Sciences)の武向平(Wu Xiangping)院士は、「人類史上初のブラックホールの写真は200人以上の科学者チームによって獲得した科学研究の成果だ。一旦公開されれば、全世界で使用でき、メディア上でも見ることができる。出典を明らかにするだけでいい」とコメントした。

 記者が確認したところによると、11日午後に「視覚中国」サイト上のブラックホール写真の基本情報に記載されていた内容に変化があり、最初にあった商用利用についての文言と電話番号は削除されていた。

「視覚中国」の微博(ウェイボー、Weibo)公式アカウントは11日午後、声明を発表。声明によると、「ブラックホール」の写真はイベント・ホライズン・テレスコープ(EHT)に属するもので、「視覚中国」はビジネスパートナーを通じて編集に関する使用権を授与されている。ただし授権されたのは「視覚中国」だけではなく、他のメディアや写真画像代理店も同時に授権された。同写真は、版権所有者の要求によりニュースの編集・報道にのみ使用することが許され、許可なく商用利用することはできない。商用利用とは、一般的には広告や販売促進などの状況を指し、「視覚中国」は商用利用の権利は獲得していない。

 しかし、ブラックホール写真をめぐる論争が発生したタイミングは微妙な問題をはらんでいる。調べたところによると、「視覚中国」は12日に3億8800万株の譲渡制限付株式の上場を予定しており、総資本金の55.39%を占めることになる。10日時点の終値1株28元(約465円)で試算すると、上場解禁時の時価総額は100億元(約1664億円)を超える。12日午前の時点で、「視覚中国」は株式上場解禁について発表を行っていない。(c)東方新報/AFPBB News

※「東方新報」は、1995年に日本で創刊された中国語の新聞です。

最終更新:4/13(土) 11:30
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