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最先端機とベテラン操縦士がなぜ=米で「欠陥」指摘、軍事機密壁も-F35墜落事故

4/14(日) 6:36配信

時事通信

 航空自衛隊三沢基地(青森県)の最新鋭ステルス戦闘機F35Aが墜落した事故。

 原因究明に結び付く手掛かりはなく、最先端の機能を備えた機体とベテランパイロットに何が起きたのか謎は深まるばかりだ。防衛省は行方不明になっている隊員の発見と機体の回収に全力を挙げているが、機体は軍事機密の塊で、回収できたとしても、どこまで日本が原因究明の主導権を握れるか不透明な面もある。

【写真】垂直に降下して着艦するステルス戦闘機F35B

 空自によると、事故機は9日午後6時59分ごろに三沢基地を離陸し、4機編隊で太平洋上で2機に分かれ訓練を実施。事故機には総飛行時間約3200時間(うちF35約60時間)の経験を持つ編隊長の細見彰里3等空佐(41)が搭乗していた。

 レーダーから消失する約1分前の同7時26分ごろ、「ノック・イット・オフ(訓練を中止する)」と通信し、途絶した。一緒に飛行していた3機のパイロットたちも音声を聞いたが、事故機は肉眼では見えない有視界外だったとみられる。

 通常、緊急時にはパイロットは戦闘機から座席ごと機外に脱出し、自動的に救難信号が発信されるが、信号は確認されていない。「中止」の送信後、機体の不具合や意識喪失などで突発的な異常事態に陥り、対処できなかった可能性がある。

 細見3佐はF4戦闘機パイロット出身で、2018年4月から三沢基地のF35飛行部隊で勤務。防衛省高官は「経験豊富で編隊長の資格もあり、技量不足だとは思っていない」と話す。

 米議会付属の政府監査院(GAO)は昨年、F35について966件の未解決の欠陥があることや、パイロットの酸素欠乏の症状などを指摘したが、防衛省は「現時点で、米国政府が公表している課題はない」としている。

 防衛省によると、F35に関しては、「日米相互防衛援助協定等に伴う秘密保護法」に基づき、その性能などの情報をより厳格に保全するため「SSA」と呼ばれる実施細目が日米防衛当局間で取り決められている。

 政府関係者は「F35は秘匿性が一段と高い。回収された機体の検証は、米の協力がなければできない」と話している。機体を回収できたとしても、性能に関わる機体制御ソフトなどの解析は、日本側は触れられない可能性もある。 

最終更新:4/15(月) 18:16
時事通信

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