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天月-あまつき-、感謝の全国ホールツアー完走「この感情を僕は忘れたくない」

4/14(日) 12:00配信

エキサイトミュージック

2018年夏に、自身初の日本武道館ワンマンライブ公演で大成功を収めた天月-あまつき-(以下:天月)。「Loveletter from Moon」というタイトルはそのままに、12月24日から2019年春にかけて全国8都道府県・9公演を巡るホールツアーを行った。

今回はファイナル公演となった、3月30日東京・片柳アリーナでのステージの模様をお届けする。

天月とともに全国を回り、この日その役目を終えるステージセットは、星空のような背景に、三日月と大きな星、額縁を浮かべたもの。小さな星が瞬くかのごとく、青や白にきらめく光が、物語のような幻想的な空間へ誘っていた。

会場が暗転すれば、期待に高鳴る歓声が起こり、彼のイメージカラーである真っ赤なペンライトが客席を染め上げる。オープニングムービーが終わると、ステージセンターのやや高い所に、黒いジャケットに身を包んだ天月の後ろ姿が現れた。

『今夜君の世界を変えに来た!!』と挨拶代わりのシャウトを響かせ、振り向いてステージに降りてきた天月は、1曲目から「アストロスト」でグッと我々の心を掴みにかかる。ツアー開始前に追加公演として発表され、ファイナル公演として実現したこの日。東京都内の会場で<思わず見上げた/トウキョウの空>との歌詞を聴けた感慨に耽る暇もなく、間髪入れずに「きみだけは。」のイントロが流れれば『この日を僕は、めちゃめちゃ楽しみにしてました! 皆さんもそうであってほしい。最後まで笑顔でたくさん歌ってたくさん踊って、良い思い出を作っていきましょう』と、頼もしい言葉で会場をリードする。

ツアータイトルを彷彿とさせる、天月が四苦八苦しながらたくさんのラブレターを書く模様を映したムービーで一息ついた後は、純度高めの恋心を描いたキラーチューン「かいしんのいちげき!」を披露。白・黒のストライプのジャケットへ着替えた天月は、(ニコニコ動画「踊ってみた」の)カリスマ・めろちん率いる6名のダンサーとともにポップなダンスを披露した。『さあ皆さん、まだまだ盛り上がる準備はできてますか!』と煽りつつ、クリエイター集団・HoneyWorksが手がけた「月曜日の憂鬱」で観客をさらに胸キュンの渦へ。

『この並びでこの曲たちをやるのは最後になってしまう。もしかしたら長いことやらなくなる曲もあるかもしれないので、一曲一曲を噛み締めながらやりたいなと思っております』と最終公演だからこその名残惜しさをにじませつつ、『ツアー中にシングルが発売しましたね。一緒に歌える人は歌ってください』と、「恋に溺れて」「STARTRAiN」の2つの新曲を披露した。

思えばこのツアー中、天月にはさまざまなことがあった。年明けに発売したシングルがオリコン週間2位(自己最高)を獲得したほか、レコード会社の移籍、初のテレビレギュラー番組、声優活動の本格化。目まぐるしく進む日々の中には重圧もあったはずだが、それを一切感じさせない……むしろこの活動が楽しくてたまらない、そんな力強さもこの日の歌唱に込めていた。また、歌声だけでなく、ダンスやギター、ピアノと、次々とパフォーマンスの幅を広げていく姿からも、エンターテイナーとしての彼のチャレンジ意欲の高さが見て取れた。

影絵ムービーの演出時には、マスコットキャラクター・正宗のアナウンスによりペンライトが全て消され、会場は真っ暗に。そしてスポットライトを浴びた天月は、まさしく夜空に浮かぶ月のように神秘的な存在感をまとい、「僕のことなら忘れてくれていいよ」を歌い上げた。

続くMCでは、昨年夏の日本武道館ワンマン公演や先日発表のあった6月のメットライフドームでのフェスの件を挙げ、『そういう所でライブができるのはめちゃめちゃ嬉しい。そしてきっと、何かまた新たな出会いがある。僕らの歴史の、ページをめくるかのような大きな出来事として、今年もいろいろ決まっているわけです』と、“これから”への期待も抱かせてくれた。

そして彼にとっては、“これまで”の天月として活動してきた10年の軌跡も、大切な物語だ。

『やりたいことがなかった僕が、こんな風に誰かの前に立てて、笑って、歌って、楽しそうにしている。これが、僕にとってはやっと見つけた一つの光、本当にたった一つの光だったんです。それを失いたくなかったから、そして何より楽しかったから、気がづけば長い道を歩いてきていました』

『こんな風にいろんな人に見てもらえるようになったのは、まさに奇跡のようなこと。この感情を僕は忘れたくない』と、凛とした佇まいで語っていた。

そんなMCを経て歌い始めたのは、彼の活動の根幹を象徴するような「キミトボク」。10年前には何もなかった天月が、たくさんのリスナーと出会い、この半年で日本武道館、そして全国を巡り、今ツアーを最高の形で締めくくろうとしている。ラストスパートに向かっては、ここまでとは打って変わってアップテンポな曲を連投した。「マリオネットラヴァーズ」「ヒロイックシンドローム」で観客の心と体を激しく揺さぶる。ラッパー・はしやんをゲストに迎え、2018年のメガヒットボカロ曲「ロキ」のイントロが始まれば、会場は最高潮の熱狂に。動画サイトにも投稿され話題となった特別バージョンに、アドリブの絡みも見せながらこの上なく贅沢なステージを繰り広げた。

本編最後の曲は「君が僕の心に魔法をかけた」。イントロでは、はやる気持ちが表れてしまったかのように急いた口調で『昔の自分を振り返ってみると言いたいこともあるけど、やっぱり僕はここにいれてよかった、歌を好きになってよかった、君に会えたから!』とたたみかける。一方の歌唱は落ち着いたもので、一音一音、一語一語を、二度とない今日のこの空間に丁寧に刻み込んだ。

続くアンコールは、ツアーTシャツ姿で登場。満を持して披露された「恋人募集中(仮)」ではトロッコに乗り、興奮に湧く客席エリアを1周。そして次なるこの曲も、彼はもう何回歌ってきたのだろう。「ホシアイ」冒頭のアカペラが始まった瞬間、観客から『わあっ』と声が上がる。最後にはシンガロングを求め、天月自身を含めた会場の全員が一体となって歌声を響かせた。

『2019年3月30日の僕と君は二度とないので、大切にしたいと思います。僕がこうした形で活動を続けていく、その一つ一つがみんなの心のどこかにいれば幸せです。本当に今日は、何度も何度も言うけど、ありがとう』。そう言ってこの日ラストに披露されたのは、2014年に発売したアルバム『Hello, World!』から「Hello,My story」。力を振り絞って歌い上げ、「Loveletter from Moon Winter Tour~2018-2019~ 」を完結させた。

最後には、会場BGMの「きっと愛って」にのせて、ファンから歌のプレゼント。歌声に包まれながら満足そうな表情でつぶやいた『やってきてよかったよほんと……』という言葉には、本ツアーに込めていた彼の思い、そして10年間の重みを感じた。

全国ツアーで2万人を越すファンに届けられたラブレター。受け取った人と天月の絆がツアーを経てより深まっただろうと感じつつ、彼は応援する人たちがいて初めて燦然と輝く月だと思った。その輝きをこれからも見ていたいと思う。

取材・文/ヒガキユウカ(プレスラボ)

<セットリスト>
01.アストロスト
02.きみだけは。
03.かいしんのいちげき!
04.月曜日の憂鬱
05.Sing! Swim! Swing!
06.恋に溺れて
07.STARTRAiN
08.小さな恋のうた
09.僕のことなら忘れてくれていいよ
10.ツナゲル
11.Flight Light~星くずとBoeing~
12.キミトボク
13.きっと愛って
14.マリオネットラヴァーズ
15.ヒロイックシンドローム
16.ロキ
17.イデア
18.君が僕の心に魔法をかけた
Encore
En-1.恋人募集中(仮)
En-2.ホシアイ
En-3.Hello,My story

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