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【インタビュー】ホリエアツシ 「今のストレイテナーはどんな場所でも臆することなくライブがやれる」

4/14(日) 22:15配信

エキサイトミュージック

 
■「スパイラル」は僕の気持ちとファンの気持ちを交差しながら作っていった

――まずは、3月27日に配信リリースされた「スパイラル」から聞かせてもらいたいと思いますが、この曲は1月の幕張イベントホールでのライブで初披露された曲ですよね。

ホリエ:はい。ツアーがテーマになっている曲です。昨年まわっていたツアーは、新作のツアーとベスト盤のツアーに別れていたんですけど、元々は一つのツアーとして考えてスケジューリングしていました。20周年ということで、ストレイテナーの音楽から少し離れていたけど帰ってきてくれたファンもいて、そんなことを実感しながらまわっていた1年でした。「スパイラル」の歌詞は僕の気持ちとファンの気持ちが交差しています。

――昨年、ツアーを行いながら作っていった曲だったということですか?

ホリエ:そうですね。ツアーの前に歌詞まで書けていたんですけど、昨年1年かけて作った曲と言っていいと思います。幕張で初披露した時、ステージのスクリーンに曲に合わせてリリックビデオを流したんですけど、それは昨年後半のツアーの道中、僕がカメラを回して撮っていた映像なんです。ツアーの全会場でアンコール時にお客さんを撮影していたり、昨年後半の旅の思い出が映像にも込められています。幕張で曲と映像をセットで披露することを考えて映像を作り込んで、タイミングとしても場所としてもこの曲を初披露するのに相応しいなと。

――そこまで考えていたとは思いませんでした。

ホリエ:我ながらクサイことをやったなって(笑)。ライブで新曲を初めて披露するのって、すごくいいなって思うんです。今の時代だとネットなどで一斉に発信することもできるじゃないですか。でも、ライブに来た人たちだけが、全世界の中で初めて聴くことができるわけですよ。インディーズの頃は作った新曲をライブで最初に演奏するというのは普通のことでしたけど、今となってはそういう機会があまりないんですよね。

――ライブで初披露するというのは、それだけ特別感があるということですよね。

ホリエ:そうですね。あと、この曲を作って、映像を撮って、編集して、という作っている過程も楽しかった。完成した映像は幕張でのライブのリハーサルまで、他のメンバーは観ていなかったので、リハの初日に僕らの演奏に合わせてモニターに映像を流してもらいました。メンバーも演奏しながらも映像を観て感動していて、「こんないいものになるとは思ってなかった」って、曲に対しての思いも強まって、当初はアンコールの1曲目に演奏しようと考えていて、その後に3曲演奏する予定だったんですけど、この映像とこの曲の印象が強すぎるというか、この曲の後にやる曲の意味が薄まるんじゃないかということで、急遽曲順を変更して最後の曲の前にしました。

――アンコールの1曲目だと、アンコールの印象がこの曲だけになってしまうんじゃないかと。

ホリエ:そうそう(笑)。昨年一年かけて作ってきてよかったなって。

――その曲がレコーディングされて3月27日に配信リリースされました。

ホリエ:レコーディングでも、初披露した時のライブのようなイメージで、できるだけアレンジはシンプルにしました。曲ごとに合うアレンジは違いますし、曲によっては生音以外にもエレクトロな音を乗っけたり、仕掛けを作ったりすることもあるんですけど、この曲は何か足し算をしようとすると邪魔になっちゃうなって思ったんです。素直な曲自体の良さをしっかりと感じ取ってもらえたらうれしいですね。

――そして、4月10日には幕張イベントホールでの映像作品もリリースされます。少し時間が経ちましたが、どんなライブだったと感じていますか?

ホリエ:大舞台で、大きな仕事でもあったし、この日に至るまでの準備も大変だったので、終わった時は肩の荷が下りた感じがしました。もちろん達成感もありましたし、何の悔いも残さずやりきって終われてよかったなって。

――中盤、中央に設置されたサブステージでの演奏もありましたし。

ホリエ:映像をリンクさせたりすることはありましたけど、演出を凝ることはこれまであまりやってこなかったので、新鮮でした(笑)。お客さんに囲まれて演奏するのは思っていたよりも難しかったんですけど、終わった後に感想を聞かせてもらった人たちの大半が「サブステージがすごくよかった」と言ってくれたので、やってよかったなって思いました。


■秦(基博)くんとのコラボ、幕張公演を経て、改めてストレイテナーはライブバンドだなと思った

――その後、秦基博さんとの共演も。

ホリエ:ようやく「灯り」をライブで一緒に披露することができました。作り手として、お互いに歌を歌って曲を作る者同士で一つの曲を作るのは初体験だったので、すごく特別な曲になりました。秦君という尊敬するアーティストとコラボしたことで、アーティストとして受けた刺激や影響も大きかったし、完成した楽曲が何より素晴らしいという満足感もありますね。

――「灯り」は秦さんらしさもあり、ストレイテナーらしさもあり。

ホリエ:うん。どちらの曲らしさもあるけど、どちらの曲にもなかったものになったと思います。

――「鱗」も聴けましたし。

ホリエ:「楽しかった」と言ってくれたのでよかったです。「鱗」で拳が上がっているのを見て、秦チームがびっくりしてました(笑)。

――サブステージと同じように、秦さんとのコラボコーナーも大きなトピックになりましたね。

ホリエ:はい。サブステージと秦くんとのコラボが中盤にあったから、ライブ全体の構成も考えやすかったです。前半はもともと持っていたストレイテナーのシリアスなイメージというか、演奏をストイックに見せることに集中して、中盤はセンターのサブステージでダンスチューンでパーティーを演出して、秦くんとの2曲を演奏した後は、歌心のある楽曲でお客さんと感情を共有していきました。昨年はたくさんの場所でライブをやったし、年明けの幕張での大舞台も無事に成功して、改めてストレイテナーはライブバンドだと実感しました。小さいライブハウスでも、幕張のような大きな会場でもステージに臨むスタンスは変わらなくなってきていて、確固たるスタイルが出来上がっているなって。今のストレイテナーはどんな場所でも臆することなくライブがやれるんじゃないかなって気がしています。

――ライブにおいての変化はあったりしますか?

ホリエ:ライブでの変化はこれまでにいくつかターニングポイント的なものはあるんですけど、7年ぐらい前かな? アコースティックツアーをやったことがあって、アコースティックだと自分達の音の聴こえ方が全然違うんです。その時に自分の歌をより意識するようになりました。元のエレキの編成になってからもその感覚を忘れずに、歌を大事にするようになったし、一人で弾き語りをするようになったことも“歌”を意識するようになった大きな要因になっています。弾き語りで秦くんの曲をカバーしたことが、「灯り」を作るきっかけにもなったので、歌への意識というのが一つの大きな変化かな。

――“歌”への意識という話が出た流れで、3月9日に公開した「LOVERS IN NAGASAKI」についても聞かせてください。「長崎○○LOVERS」で開催したInstagram投稿キャンペーンの入賞作品の写真をヒントに制作された楽曲ということですが。

ホリエ:これもまさに自分の“歌”を意識して作った曲です。ストレイテナーの曲を作る場合は、自分たちの思う“バンドのカッコよさ”に100%向き合えばいいわけなんですけど、この曲は“長崎市”という大きなテーマで作る曲なので、僕だけの曲になるのはもったいないし、いろんな人に歌ってほしいなと思いました。普段、僕が作る曲は周りの人からしたらすごく歌うのが難しいらしいんです(笑)。なので、難しくしないように気を付けました。

――みんなに歌ってほしいという気持ちで。

ホリエ:そうそう。なんなら長崎の小、中学校や高校でも歌ってほしいぐらい。

――曲を作る時に長崎のことを考えながら作ったと思いますが、ホリエさんから見た長崎の魅力は?

ホリエ:坂と階段、とにかく斜面が多い街で、学校とかもだいたい山の上にあったりします。住んでいるとすごく大変ですけど、その風景は他では見られないものがあるので、素敵だなって思います。この曲のお披露目で長崎に行った時も、散歩というか、これまで歩いたことのない坂を登ったりしました。いつもと違う道を歩くと景色が変わって面白かったですね。散歩中に思い立ってお墓まいりもしてきました。

――この曲の反響は?

ホリエ:長崎に住んでいる人からの反響も大きかったです。「より長崎が好きになりました」という感想もあれば、「長崎のこと、そんなに好きじゃなかったけど、これを聴いて好きに思えてきました」とかも(笑)。

――ストリングスアレンジはNAOTOさんが。

ホリエ:NAOTOさんとは3月に東名阪で行った『ROCKIN' QUARTET VOL.3』でご一緒させていただくことが決まっていて、ライブに向けて僕の曲をアレンジしてもらうのに便乗しました(笑)。NAOTOさんからストレイテナーらしさを出すアレンジにしたほうがいいのか、普遍的に楽曲を聴かせるアレンジがいいのかを聞かれて、普遍的なアレンジをお願いしました。

――それはさっき言っていたように、みんなに歌ってもらいたい曲だから?

ホリエ:はい。ストリングスの壮大なアレンジで、より素晴らしい曲になったので、長崎の人にも、まだ長崎に行ったことのない人にも聴いて遊びに行ってもらえたらなと。長崎を好きになるきっかけになって思ってもらえたらいいですね。

――今後の予定としては、6月にACIDMAN、THE BACK HORNとのスプリットツアーも決定しています。

ホリエ:以前から、お互いの周年ツアーが終わったら3組で一緒にツアーをまわれたらいいねって話していたんです。それぞれのバンドの活動がある中で、実現出来てよかったです。ファンには対バンも楽しんでもらいたいし、この3組が一堂に会すことは、きっとお互いのファンが喜んでくれることだと思うので、それは僕らだけじゃなくて、ACIDMANもTHE BACK HORNも同感だと思います。このツアーをやる意味はそこに尽きるんじゃないかと思っています。たくさんの人に来てもらいたいです。

(取材・文/田中隆信)

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