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プレーオフ展望vol.6ブレイザーズvsサンダー リラードとラス、絶対的エースの対決

4/14(日) 17:05配信

バスケット・カウント

高度な戦術より魂のぶつかり合いが見られるシリーズ

文=神高尚 写真=Getty Images





ユスフ・ヌルキッチを大ケガで失い、エースの片翼であるCJ・マッカラムもケガで欠きながら、残された選手が奮起しレギュラーシーズン最後の10試合を8勝2敗で終わらせたブレイザーズ。特に主力全員を休ませた最終戦では起用された若手3人がフルタイムプレーしたにもかかわらずハイスコアの戦いを制しました。そして、この勝利でロケッツを逆転し西カンファレンス3位の座を手に入れたのです。

対するサンダーは好調なシーズンを過ごしながら、オールスター以降は7勝13敗と急ブレーキで順位を8位まで落としました。それでもレギュラーシーズン最後は5連勝で締めくくり、6位まで順位を上げましたが、リーグ2位の得点を挙げたポール・ジョージが痛めていた右肩を悪化させ、第1戦の出場が危ぶまれるなど、苦しいチーム状況にあります。

ともにレギュラーシーズンを順調に過ごしながらも、満身創痍でプレーオフを迎えますが。それでも両者には苦しい時こそ獅子奮迅の働きを見せる大黒柱のポイントガードを擁し、それをチームメイトがハードワークで支える団結力があります。高度な戦術より『エースの活躍』と『チームの団結力』といった魂のぶつかり合いが見られるであろうシリーズです。

ポイントガード同士の戦いで上回りそうなのはブレイザーズのダミアン・リラードです。ポーカーフェイスで自分のプレーは読ませないものの、敵味方問わず選手の心を見透かしたような冷静な観察眼で、見事なゲームコントロールと高いシュート力でチームをリードします。ドライブした際にブロックを食らいやすいのが欠点でしたが、最近はいつでもシュートを打てるような緩い動きから急加速してフィニッシュするプレーのキレが増しており、インサイドでのフィニッシュ力が向上しています。

『ダイム・タイム』と呼ばれる勝負強さはそのままに、フィジカルなプレーを厭わず、果敢なアタックが増えたのは、マッカラムだけでなくセス・カリーが加わったシューター陣への信頼とビッグマンとの連携強化にあります。しかし、ヌルキッチの代役エネス・カンターはフィジカルの強さはあるものの連携面で不安を残し、リラードへの負荷が強くなっています。




圧倒的なエースをチーム全体が支える団結力

サンダーのラッセル・ウェストブルックはリラードとは真逆で感情を表に出し、怪物揃いのNBAでも頭一つ抜け出す破壊的な突破力でディフェンスを粉砕します。その圧倒的な能力は防ぎようがないものの、シュートの確率が低く、サンダーはウェストブルックのシュートタッチ次第でオフェンスが大きく変化してきます。

それでも2年連続アシスト王を獲得した視野の広さとチームメートとの連携の高さがあり、止めるのは至難の業。ディフェンスリバウンドからスピードに乗ったボールプッシュをされると、プレーを読んでも止められない理不尽なまでのトランジションオフェンスがあります。勝率の安定しないサンダーですが、ウェストブルックの調子が良ければ誰も止められないため、上位シードを倒しそうな怖さを持っています。

ウェストブルックの調子が悪い時には、チーム全体がルーズボールやリバウンドの強さで助けます。チーム全員のハードワークで不安定なエースを支える構図は、戦術的論理性が重要とされる現代NBAの中で『チームの団結力』というエモーショナルな面白さがあります。

ポーカーフェイスのリラードと情熱のウェストブルックは、個人としてはリラードが上回りますが、チームメートに支えられることで真価を発揮するウェストブルックがチームを勝利に導くことが多く、レギュラーシーズン中の対戦ではサンダーが4連勝と相性の良さを発揮しました。




2年連続ファーストラウンド4連敗、ブレイザーズの危機感

プレーオフでカギを握るのはブレイザーズのアル・フォンク・アミヌとモーリス・ハークレス。ともにオールラウンドなディフェンス力があり、ヌルキッチ離脱後は攻守で穴を埋める大活躍をしました。ただしサンダー戦では3ポイントシュート成功率が25%以下と苦しんでおり、プレーオフでステップアップすることが求められます。

また最近はハークレスが相手ポイントガードを守る機会を増やしており、高さの利を生かしたディフェンスでエースキラー的な役割を担います。3年連続のアベレージ・トリプル・ダブルのウェストブルックが相手であっても、ハークレスは高さとフィジカルでは十分に対抗できるので、スピード負けしないで守り切れるかがポイントです。

上位シードのブレイザーズですが、サンダーへの相性の悪さに加え、プレーオフでは2年連続ファーストラウンドで4連敗しており、危機感は強いはず。ヌルキッチ不在で文字通り全員でインサイドをカバーし、強引にでも突破してくるウェストブルックを止める必要があります。

お互いが満身創痍、チームとしての団結力が勝負を分けそうなシリーズは、プレーオフらしい身を削る戦いが続くでしょう。そして最後に決勝シュートを決めるのはリラードか、それともウェストブルックか。両者の激しい競り合いは第7戦まで持ち込まれそうです。

バスケット・カウント

最終更新:4/14(日) 17:05
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