ここから本文です

止め時が肝心│上がり続けるクラシックフェラーリのマーケット

4/14(日) 17:14配信

octane.jp

「“ここまで”と判断する基準は」とは、偉大な芸術家に何度も投げかけられてきた質問だが、カロッツェリア・ボアノでこのフェラーリ250GTユーロパ・クーペに携わった人たちにも聞いてみたい。写真は、250GTボアノ・プリ・プロダクション9台のうちの1台で、14台しかないアロイボディだ。

この0447GTがフェラーリから出荷されたのは1955年10月のことだ。当初はピニン・ファリーナでボディを架装するはずだったが、同社が忙しすぎるという理由で、代わりにボアノに送られた。

ボアノではピニン・ファリーナのデザインに従ってボディの製造に取りかかったわけだが、その際に小さな変更をいくつか施した。デザイナーとビルダーの境界があいまいだった時代だ。全体から見ればささいな変更だったが、中でも、ゆるやかに上に流れるベルトラインがドアの後方で下に切れ込むデザインは目に付くものだった。だが、これで完成ではなかった。0447GTは完成後すぐにボアノに戻され、さらなる変更が施された。

ベルトラインはフロントからリアフェンダーまで一続きに改められ、フロントフェンダーはヘッドライトリムに向けて絞り込まれる形になり、Bピラーに付いていた方向指示器もなくなった。あとで手を加えると失敗するものだが、この時だけは、それが逆に功を奏して特別な1台が誕生したのである。

2005年に同じアロイ製250GTボアノが41万ドルの値を付け、当時ヘミングスは「驚異の」と形容した。だが、2011年にはこの0447GTは66万ドルの値をつけ、今やトップクオリティーであればスチール製250GTボアノの相場が100万ドルに届くかという勢いである。この0447GTに付いた推定落札価格は175万~225万ドル。良質のフェラーリロードカーへの需要はまったく減る気配がない。この0447GTは、かつてブラックホーク・コレクションが所有していたこともあり、非常によい状態だ。ユニークであり、知識の豊富なオーナーがきちんとメンテナンスしてきた。しかも3リッターのコロンボV12エンジンだから、すべての要素が揃っていると言える。

フェラーリ市場にかけては、10年足らずで値段が4倍以上になり、長期的に見ても魅力的な車なら、まだまだ上がり続けるだろう。

Octane Japan 編集部

最終更新:4/14(日) 17:14
octane.jp

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事