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CS&Nが残した米国フォーク/ロック史に残る大傑作『Crosby, Stills & Nash』

4/14(日) 18:00配信

OKMusic

OKMusicで好評連載中の『これだけはおさえたい洋楽名盤列伝!』のアーカイブス。今回は元バッファロー・スプリングフィールドのスティーヴン・スティルスと元バーズのデヴィッド・クロスビー、元ザ・ホリーズのグラハム・ナッシュという有名ミュージシャンが集結したスーパーグループ、CS&N(Crosby, Stills & Nash)が1969年に発表した1stアルバム『Crosby, Stills & Nash』を紹介したい。CS&N、そしてニール・ヤングを加えたCSN&Yはポピュラー音楽史に残るユニットであり、彼らの出現以降のアメリカのみならず、世界中のフォーク、ロックに及ぼした影響は計り知れない。そんな彼らの代表作でもある『Crosby, Stills & Nash』を聴いてみよう。
※本稿は2015年に掲載

鮮烈なコーラスと複雑かつ変則的なギターが生み出した斬新なサウンド

初めて『Crosby, Stills & Nash』('69)を聴いた時は軽い衝撃を覚えたものだった。オープニングを飾る組曲「Suite:Judy Blue Eyes(邦題:青い目のジュディ)」のコーラスハーモニーがとにかく素晴らしかった。転調の多いこの組曲はほとんどアコースティックギター(クロスビーとスティルスか)を主体に、グルービーなベース(スティルスが弾いている)で幕開け、曲が進むにつれ、スティルスのエレキ、ドラム(アルバムではダラス・テイラーとジム・ゴードンが担当している)が絡んでくるのだが、この1曲だけで彼らが自分の持ち味をぶつけ合うことで音楽を作り上げようとしているさまが聴き取れる。バンドという協調性を旨とする集まりとは彼らは違うのではないかと、中学生の耳にさえ朧気ながら思った記憶がある。

かといって、好き放題に音が絡み合っているわけではなく、変化に富む曲にわざとらしさはなく、見事なまでのコンビネーションで展開している。アコースティックなのに、そこからは確実に新しい何かが生まれようとするロック的なニュアンスが伝わってきた。それがまた、ロックシーンを彩る数多くのバンドよりも一歩も二歩、三歩も上を行く知性と才覚を感じさせるものだった。

デビュー時の、特に日本においては彼らは“夢のスーパーグループ登場!”みたいな売り出し文句で紹介されていた。ユニットとしてひとつにまとまる以前にそれぞれが、すでに世間で知られるアーティストだった。もっとも、今でこそメンバーが在籍していたこともあってバーズバッファロー・スプリングフィールド、ホリーズの名は知られているけれど、当時はそれらのバンドのことを、日本ではどのくらい知られていたのか疑問だ。どう考えても『Crosby, Stills & Nash』の大ヒットがあり、それに続いて“彼らの在籍した…”と経歴を遡るように、それぞれのバンドの存在も知られるようになったに違いない。

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最終更新:4/14(日) 18:00
OKMusic

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