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バレー新Vリーグ初代女王は久光製薬 個ではなくチーム「全員で勝ち取った優勝」

4/14(日) 12:30配信

THE PAGE

進化したトータルディフェンス、本当の意味での完成

 そんな意識の土台ができた久光製薬スプリングスに、酒井監督が技術面でさらなる「チーム力」をプラスした。それは「チーム戦術」で勝つということ。「トータルディフェンス」の完成だ。昨シーズンからリードブロックを取り入れ、サーブでここを攻めてブロックでこうしとめる、あるいはグッドタッチを取ってAディグ、Bディグにして強力な攻撃バリエーションで攻め返し得点を重ねていく。

 そのトータルディフェンスがかなり進化してきた。アメリカ代表としてリードブロックを熟知しているアキンラデウォの存在も大きくブロックへの意識がより高まった。
 
 岩坂は言う。「ミドル(ブロッカー)のタッチが増え、ブロックポイントが増えた。一人ひとりが意識しているから変わってきた。ミドルだけではない、両サイドがあってこそのリードブロック。形になってきた」

 酒井監督も、「リードブロックが今リーグで進化。意識をしてきた結果。サイドブロッカーがキーになると着目してやってきたが、いい場所で跳べてきて、位置取りやブロックタッチもよくなってきている。タッチで抜けてきたボール、フェイントなどのディフェンスもできてきている」と手応えを語っていた。

 ゴールデンセットでも「強みのトータルディフェンス」が効いていた。グッドタッチを取った後の、拾った後の切り返し、攻めにバリエーションがもっとつけば、課題に挙げているバックアタックがもっと増えれば(グランドファイナルでの打数はわずか3本、1得点)、本当の意味での完成といえるだろう。

 優勝後の会見で、岩坂、新鍋、石井、野本は優勝を喜びながらも、グランドファイナルでの「久光バレー」のできについては表情を曇らせた。「課題が見つかった」「エースの仕事ができているとは言えない」勝つだけでなく内容にもこだわる。「世界で勝てるチーム」それが久光製薬スプリングスの目指すところだからだ。

初シーズンには課題、さらなる工夫や改善や進化を期待

 新しいV.LEAGUE女子(V1)は久光製薬スプリングスの優勝、初代チャンピオンで幕を閉じた。グランドファイナルのように最後まで勝敗がわからない白熱した試合や接戦も多く面白いゲームも多かった。ホームゲームがチーム運営になったことで各チームが趣向をこらし、試合だけでなくイベントなども楽しめるようになった。しかし正直、大盛況とは言えない。初シーズンには課題も多く残した。

 観客も少なく、ときに1000人に満たないこともあった。取材プレスも1人だけ、あるいは数人だけという大会もあった。ファイナルラウンドの日程、場所がなかなか決まらず公表が遅れたこと、イースタン、ウエスタンカンファレンスの力の差、分けた意味、ポイント(ファイナル8進出への不公平さ)など、ファンの間でも話題になっている。

 選手たちは面白いバレーボールを見せようと努力する傍ら、ヒーローインタビューでも「みなさんぜひ会場に来てください」と何度も何度も呼びかけ、ホームゲームや各会場でも帰る前の時間、ギリギリまで残って出待ちするファンにサインをしたり、写真撮影に応じたりしてファンサービスを頑張っていた。

 「それぞれのチームがいろんなことを考えて、ホームゲームなど盛り上げようとしている。自分たちは見に来てくださる人が何かを感じてくれるような試合をする。もっともっとたくさんの人にV.LEAGUE、バレーボールを応援してもらえるように盛り上げていきたい」と岩坂。

 「空席が目立っていて観客が少ないなって思いがあった。自分たちが面白いバレーを展開するのが一番ですが、見に来てもらいたいのでもっともっと宣伝が必要なのかなと思います。新リーグ1年目だったのでうまくできていない部分もあったと思いますが、フェンシングやバドミントンや卓球など(他の競技も)うまく参考にしてまずは足を運んでもらえるように。実際に見たらバレーボールにハマってくれる人もいると思うので」と石井も正直な思いを話してくれた。
 
 そうした選手やチームの思いを無駄にしないために。

 来シーズンは東京五輪の直前、大事なリーグになる。気運やムードを上げ、五輪でのメダル、好成績へとバレーボールを盛り上げていくためにも、V.LEAGUEには、リーグ運営など、さらなる工夫や改善や進化を期待したい。

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最終更新:4/26(金) 8:17
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