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何してる?無人島に渡る子どもたち 「海で子育て」市民ら活用 佐賀の鳥島

4/14(日) 9:04配信

西日本新聞

 佐賀県唐津市と福岡県糸島市に囲まれ、複数の離島が浮かぶ唐津湾。そこに子どもたちが渡っていく無人島があるという。たまたま唐津市内の懇親会で同席した男性から、そんな話を聞き、「明日、島に渡るけど、一緒に行きませんか?」と誘われた。一体、無人島で何をしているのか。さっそく島に向かった。

【写真】モーターボートの上から臨む無人島

 3月下旬の土曜日。唐津市の中心部からほど近い海岸に行くと、懇親会で出会った岩本真二さん(56)ら男女数人が待っていた。ライフジャケットを着てモーターボートに乗り込んだ。

 島の名は「鳥島」。市街地から約1キロと近いが、誰も暮らしていないという。こんもりとした緑の木々に島の大部分が覆われている。出発から10分ほどで上陸。振り返って市街地の方を眺めると、海側から初めて見る唐津城の姿があった。

 少し遅れて子どもたち約30人もボートで到着。生い茂る樹木の下を一緒に歩いたが、太陽の光が遮られ、少し肌寒い。数十メートルほど斜面を登ると、突然、目の前に、木製の「ツリーハウス」が現れた。2階建てほどの高さで、編まれたロープやはしごでのぼる。木につり下がったブランコやロープもある。深い緑に囲まれた遊具。「なぜ無人島にこんなものが」。不思議がるこちらを尻目に、子どもたちは夢中で遊び始めた。

「僕たちの秘密基地です」

 「ここは僕たちの秘密基地です」。小学校を卒業したばかりの峯大智君(12)が教えてくれた。

 峯君は、唐津市の「海遊キッズクラブ」のメンバー。このクラブは岩本さんらが発起人となり、唐津の海を愛する市民有志が2004年に立ち上げた。

 かつて、鳥島には、小学生が遠泳大会で泳いで渡っていたという。発起人の一人の藤原雄さん(55)も少年時代、毎日のように海に通った。「唐津は街から海までがとても近い。海とともに育った」

 今の子どもたちにも海の楽しさを伝えたいと、クラブは主に春から秋にかけて週1回ほど活動する。メンバーの小学生が海水浴やヨット教室、キャンプなどを楽しむ。「南向きの砂浜で温かく、9月下旬ごろまで泳げる」(藤原さん)という鳥島にも7年ほど前から渡る機会が増え、今では月1、2回、島に足を運ぶようになった。

 クラブ発足10周年を迎えた14年、島内に遊具を造る構想の実現に動いた。島を所有する市の理解を得て、子どもたちも材料搬入などを手伝い、半年ほどで完成させた。そこには、鳥島を海と親しむ場にしたいという思いがあった。

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最終更新:4/14(日) 9:04
西日本新聞

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