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タイから日本に働き手を、ラーメン店主がビジネスを模索

4/14(日) 20:00配信

日本食糧新聞

タイの首都バンコクでラーメン店「仙台ラーメンもっこり」を営む木村敦弘さん(56)は、今年でタイ出店14年目。日本の郷里に近い東北・岩手県などでもラーメン店を展開しており、タイに拠点を置きながらも日本とを行き来する。今年3月にも日本に一時帰国し、北東北を中心に現地視察を行った。自身の店舗や消費市場を見て回って感じたのは、深刻なまでの日本の人手不足。強い危機感を覚えた。

募集をかけても一向に集まらず

岩手県内に出店したそのラーメン店は、閉店したコンビニエンスストアの空き物件を利用した。建屋の築年数も新しく、何よりも駐車場が併設されているのがいい。昼食時などの席の混み合う時間帯でも待つことなく入店が可能で、客数さえこなせば十分に採算が取れると踏んだ。

だが、もくろみはもろくも外れる。店のスペースが大きいと、暖房費などの管理費がかかる上に、何人もの従業員を雇わなくてはならない。ところが、募集をかけても一向に集まらないのが日本人の働き手。仮に応募があったとしても、未経験者で即戦力にならない。そんな悪循環の繰り返しだった。

一方、タイでは失業率がここ10年近く1%を切ったままで、仕事は引く手あまた。中でも、3K(きつい、汚い、危険)と呼ばれる現場仕事は、もっぱら隣国のミャンマー人やカンボジア人らが担い、経済を下支えしている。

これらの国では、確かに日本水準のサービス業はまだ緒に就いたばかり。しかし、確実に成長を続けており、質・量ともに伸びしろには無限の可能性が感じられる。「こうした労働力を日本市場で活用できないか」。そう考えるまで、時間は要しなかった。

2、3ヵ月に一度、日本に一時帰国を繰り返しては、外国人労働者の需要や受け入れ先、実現可能性がないかを見極めるよう努めている。法規制などクリアしなければならないハードルも少なくなく、まだまだ具体的な未来像は見えていない。

しかし、加速度的に進む少子高齢化、市場の縮小に、海外からのビジネスチャンスとニーズは反比例して増えていることだけは体感できる。早ければ、年内にも何らかのめどを付けたいと考えている。

質の良い即戦力の労働者を日本に送り込むとなれば、まずはタイで事前の訓練が必要となる。そのためにも、現店舗の売上げ増と多店舗展開、従業員の継続的な雇用拡大が必須だ。「これまでは無我夢中だった」と木村さん。最近になって「ようやく先が見通せるようになった」といい、これからのタイでのビジネス展開に期待を膨らます。

文化や風土、習慣の違いなどもあって、「自分の管理能力のなさを痛感するばかりだった」と話す木村さんだが、一方でタイ人やミャンマー人スタッフらに助けられてきたことでヒントを得たのも事実。その彼らと一緒になって、新たなビジネス展開を模索しようとしているのが昨今の展開だ。「無借金経営だからできること」と控えめに話すが、言葉には強い決意がみなぎる。結果は、間もなく表れるに違いない。

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最終更新:4/14(日) 20:00
日本食糧新聞

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