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キラキラネームに否定的ですか? 名付けの流行に隠された笑えない社会の闇

4/14(日) 19:45配信

LIMO

名づけには「社会の欠乏感が表れる」との見解も

同調査は、子育て中の男女、妊娠中の女性に対して行われたものですが、「キラキラネーム」に対し、「とても好意的」「やや好意的」「好意的でも批判的でもない」と、抵抗感のないママ・パパは48.4%と半数近くにのぼっていました。

一方、10万人以上の名づけ相談を受けた実績をもつ専門家の著書『子供の名前が危ない』では、子の名づけに隠された社会的な背景がわかりやすく考察されています。

1つめは、名前のトレンドには、社会の欠乏感が反映されやすいという点。

勝てない戦争をしていた時代には「勝利」「勇」といった名前、戦後の食糧難の時代には「茂」「実」といった豊作を連想させる名前、高度経済成長期によって家族が空洞化し始めた80年代には「愛」という名前が流行したといいます。

その上で、現代のキラキラネームの流行は、リスクを避けるために先回りされ、選択肢を与えられる社会になったことで、日本人に「自分が何者で、何をしたいのか実感できない」という空虚な感覚が生まれていることのあらわれでは……と著者は警鐘を鳴らしています。

もう1点は、名づけには親が無意識に抱えている「無力感」「欠乏感」「孤独感」が表れる「こともある」という点。

奇しくも、昨年から今年にかけて、東京都目黒区や千葉県野田市で、親からの虐待で命を落とした少女の名前には、いずれも「愛」が含まれていました。

先日発表された理化学研究の調査結果によれば、子供を虐待したとして有罪判決を受けた親ら25人のうち、72%に当たる18人が自身の子供時代に虐待を受けていたといいます。

たった25人の例で「虐待が連鎖する」と結論づけるのは早急ですし、全ての名づけが親の欠乏感を表すものではないにせよ、虐待児の親たちが自分の子ども時代に欠乏していたものを子どもに与えたいという意思表示を曲がりなりにもしていたのかもしれない……と仮定すると、胸が痛みます。

誰かの名前を「キラキラネーム」だと感じたとき、脊髄反射のように非難することで、一見自由に見える社会でありながら、自分が歩む道を自由に決めることが難しい社会に拍車をかけている可能性もあります。

キラキラネームは生活する上で何らかの不都合がある点は否めませんが、名前に対する偏見で子どもを傷つけることのないような社会であってほしいものです。

【参考】
『子供の名前が危ない』(牧野恭仁雄著、ベスト新書 2012年)
『キラキラネーム」はもはや普通? 平成最後の名づけ調査でわかったママ・パパの名づけ事情』(ミキハウス)

北川 和子

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最終更新:4/15(月) 20:15
LIMO

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