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ハンセン病 隔離政策に皇室の影 陛下、歴史かみしめ握った手【平成と天皇シリーズ】

4/15(月) 18:00配信 有料

西日本新聞

「隔離の壁」の穴を見つめる天皇、皇后両陛下=2013年10月26日、熊本県合志市の菊池恵楓園

 戦争と復興の時代だった昭和を経て、1989年に始まった平成は、2019年4月末で終わりを迎えます。「天皇と平成シリーズ」では、新たな時代の象徴天皇として歩んでこられた天皇陛下の足跡をたどり、九州・沖縄を中心にゆかりの人々の秘話を掘り起こすことで、平成という時代を振り返りました。
※以下は2018年12月12日時点の内容です

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 分厚く、冷たいコンクリート壁が療養所を囲む。国立ハンセン病療養所「菊池恵楓園」(熊本県合志市)には今も、国の強制隔離政策の名残で、敷地の内と外を区切る逃走防止用の壁が一部残っている。

 2013年10月26日。その壁の内側に、天皇、皇后両陛下が初めて足を踏み入れられた。

 きっかけは前年。園内に開所した民間保育所に関心を寄せた皇后さまに、当時の酒本喜与志園長が皇居で面会した際のやりとりだった。酒本さんが「ぜひ、おいでいただけませんか。入所者がお待ちしています」と園への訪問を持ち掛けると、皇后さまは「深く心に刻み留めておきます」と応じた。

 要望は、1年余り後に実現する。両陛下は熊本県内の別の催しに出席するのに合わせ、恵楓園の訪問を希望した。予定日には台風が関東を襲い、スケジュール変更も懸念されたが、ほかの予定に優先しても、園に立ち寄ることを強く求められた-と園の記念誌に記されている。

 園を訪れた両陛下は、1300人近い遺骨が安置された納骨堂で献花され、病棟に集まった入所者18人と懇談した。1人ずつ「体の具合は大丈夫ですか」「どうやってお過ごしですか」と語り掛けた。

 趣味を聞かれた末次敏子さん(83)が、庭先でウラシマソウを栽培していることを紹介すると、皇后さまは「御所にも咲いておりますよ」とほほ笑んだ。末次さんは「身をかがめ、気さくに話していただいた」と振り返る。懇談のためにスーツを新調する入所者もいて、見送る際は「万歳」の掛け声が湧き起こった。 本文:2,693文字 写真:4枚

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西日本新聞

最終更新:4/15(月) 18:00
西日本新聞