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格ゲー業界騒然! パキスタン人が異様に強い理由 「地元には、まだまだいる」発言の真相、現地で確かめた

4/17(水) 7:00配信

withnews

対戦フォームは「ピアニスト」

 特徴的なのは、その指づかいだ。パンチやキックを繰り出すためには、右手でボタンを正確に押せるかが鍵となる。ボタンを押し間違えないよう、指の腹でパンパンと強く押したくなるところだが、アルスランさんは指をほとんど動かさない。

 代わりに指を立て、ピアノでも弾くように優しくトントンとボタンを押す。手首を1センチほど上下させるだけで、指は固定されている。

 また、キャラクターを前後左右に動かす左手のレバーも、動きこそ小刻みで素早いが、軽く握る程度で腕に力みはない。肩を張らず、背筋を伸ばし、目線がぶれない。プレー中は、まばたきさえも極端に減る。

 この「省エネ」フォームが、安定したパフォーマンスにつながっているようだった。

国際大会への扉

 パキスタン国内で実績を積んだアルスランさんが、次に目指したのは国際大会だった。転機は2018年夏。中東のプロ集団「vSlash eSports」が、アルスランさんの戦歴に目をつけた。スポンサーとして旅費を出してくれることになった。

 スポンサーが付くことには、旅費以外にも大きなメリットがあった。それは、海外のビザが取れるようになった、ということだった。治安が安定しないパキスタンの国民に対して、スポンサーや一定額の預金があることをビザの申請条件とする国が、いまも多いからだ。

 ビザの問題を克服したアルスランさんが、初めて挑んだ世界大会が今年2月の「EVO Japan」だった。著名な「鉄拳」プレーヤーたちが一堂に会する世界最大級の祭典だ。

 アルスランさんの闘いは、試合前から始まっていた。万全の態勢で臨むつもりだったが、飛行機の乗り継ぎトラブルが相次いだ。パキスタンから福岡まで丸3日。会場にたどり着いたのは、大会当日の午前10時だった。

 試合の様子はインターネット上で生中継された。ラホールのゲームセンターではパブリックビューイングが開かれた。仲間30人以上が集まって歓声を送った。

 アルスランさんは睡眠不足を引きずりながらも、有名選手を次々に破った。得意の防御でダメージを抑えつつ、隙を見て連続攻撃を繰り出す、新顔らしからぬ戦いぶり。中継者は「素晴らしいガードです!」と絶叫した。

 最後にフィリピンのAK選手を下して初優勝を決めると、アルスランさんは右拳を握りしめ、立ち上がった。「鉄拳」開発プロデューサーの池田幸平さんは「新時代到来を予感させる驚異的な強さ」とツイッターでたたえた。 

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最終更新:4/17(水) 14:05
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