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KYBらの免震ダンパー不正で有識者委が報告書とりまとめ、発注者の出荷検査立ち会いなど原則化

4/15(月) 8:13配信

スマートジャパン

 国土交通省が設置した「免震材料及び制振部材に関する外部有識者委員会」(委員長:深尾精一首都大学東京名誉教授)は2019年3月27日、報告書を取りまとめた。2018年10月に判明した免震材料などの不正事案を受けたもので、同材料の大臣認定制度の見直しなど、再発防止策を提言している。

検査データの保存/改ざん防止措置を徹底

 免震ダンパーの不正では、「KYB」「カヤバシステムマシナリー」が、製造した免震/制振オイルダンパーの減衰性能が大臣認定などで許容される範囲を超えて基準値から離れていた。不祥事を起こした2社は、それらの適合しない商品の検査データを許容範囲内に書き換えて出荷していた。

 2019年3月26日時点で、出荷されたことが判明した不適合品は免震材料、制振部材を合わせて、647個に上り、351個は調査中となっている。また、光陽精機が製造し、川金コアテックが出荷した免震材料・制振部材についても、顧客との契約において許容される範囲を超え、基準値から離れたものについて検査データを書き換えて出荷していた。

 委員会は、企業が設置した外部調査委員会の報告を検証。不正事案の発生原因と課題を整理した。各企業では社内チェック体制の不備など不正が生まれやすい環境が見られた他、検査データの保存や検査機の管理不備、発注者によるチェック方法の形骸(けいがい)化などを指摘した。

 さらに、実態解明を受けて委員会は、免震材料の大臣認定の見直しと制振部材の品質確保の2つを提言している。

 大臣認定の見直しでは、検査データの保存と改ざん防止の取り組みを審査基準として改める。従来は大臣認定で確認されてきたものだが、それ以前の段階で基準として要求することを徹底。検査時の入力値、設定値、最終結果までの過程を含む記録と、結果の信頼性、正確性を確認するために必要なものを品質管理の基準上で明確化し、保存を求める。

 出荷時の検査データは2016年の制度見直し後、「検査結果の保存」が取り決められていたが、どのような検査データをどのような形式で保存するかは具体化されていなかった。今後、新規に大臣認定を取得する事業者に対しては、既に認定されたものも含め、新たな基準に適合した品質管理がなされているかを確認していく。一定期間以降に出荷する事業者に対しても、新たな基準を適用する。

 また、出荷時に全数検査が行われるオイルダンパーなどの免震材料は、発注者か、または発注者が指定する第三者による立ち会い検査を原則化。その際、今後明確化させる品質管理の基準上の検査データと、検査成績書を突き合わせたチェックを実施することも求める。さらに、発注者などによるチェックへの対応方針が製造者側の社内規格で定められていることも、性能評価する。

 制振部材の品質確保では、構造計算の際に、制振部材の効果を想定している場合、オイルダンパーなどの性能データの保存・改ざん防止措置や発注者などによるチェックを免震材料に準じて厳格化。建築物の認定にかかわる性能評価時に実施方針を原則確認する様にする。

 その他、認定する仕様の範囲を合理化し、性能や品質への影響が大きい項目に限定することや国によるサンプル調査を拡充することなども必要と提言している。

スマートジャパン

最終更新:4/15(月) 8:13
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