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夫はけがで休職、保育園も見つからず…仮設「強制退去」焦る被災者 熊本地震3年

4/15(月) 16:41配信

西日本新聞

 仮設住宅退去後の住まいのめどが立っていない熊本地震の被災者が211世帯に上ることが明らかになった。14日で地震から3年。仮設住宅は今月から入居期限を順次迎えるが、熊本県は民間賃貸住宅などを希望する人の再延長は原則認めない方針。希望や経済状況に見合う住まいの「再建先」が見つかっていない被災者は焦りを募らせる。

【写真】熊本地震の前震が発生した時刻に合わせ、キャンドルの前で黙とうする住民たち

 「このままだと強制退去になる」。熊本市東区の建設型仮設住宅に暮らす岩本優生子さん(21)は不安を隠せない。退去の期限が3カ月後の7月に迫るが、行くあては見つからない。

 夫の龍太郎さん(26)は2017年春、勤務中に足の靱帯(じんたい)を損傷し、現在も休職中。優生子さんは働きに出るため託児を希望したが、市の窓口で「近くの保育園は定員いっぱい」と断られ、収入は激減した。

 仮設住宅に入居したのは17年末。当時は引っ越し作業に追われ、市が再建困難な世帯向けに整備する「災害公営住宅」の申請を逃してしまった。

 市営住宅を探したが、紹介された部屋はエレベーターのない4階。龍太郎さんのけがが治らない中、幼い子ども2人を抱えて階段を上り下りするのは難しく、結局断念した。賃貸住宅も家賃の安い物件は築40年以上で耐震面に不安が残った。現在も物件探しを続ける優生子さんは「再建先が見つかるまで仮設住宅で生活させてほしい」と訴える。

 熊本県と国は、地震から時間が経過して被災地で民間の空き物件が増えたことなどを踏まえ、民間賃貸住宅や既存の公営住宅への入居希望者を2回目の期限延長対象から外した。県は「延長要件は見直さない。211世帯には、退去の期限までに再建先を見つけてもらうように市町村とともに支援を続ける」とする。

 被災者の生活実態を調査する熊本学園大の高林秀明教授(地域福祉論)は「個別事情に応じて延長を認めるべきだ。退去後に生活が立ちゆかなくならないよう、一定期間家賃を補助するなど低所得世帯の生活再建を段階的に支える制度も必要」と提言する。

西日本新聞社

最終更新:4/15(月) 21:10
西日本新聞

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