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次世代蓄電池で新規製造プロセス浮上

4/15(月) 20:20配信

LIMO

本記事の3つのポイント

 ・ LiBの製造において新手法が登場。インクジェットや真空蒸着など低コスト化などを狙ったものが多い
 ・ 全固体電池の登場も製造プロセスの刷新に影響。ただし、電極と電解質の界面抵抗が課題の1つとなっている
 ・ 電極形成プロセスに独自技術を適用し、わずか3分間で満充電できる新型LiBなども登場

 リチウムイオン電池(LiB)の製造プロセスには、主に塗工法が採用されている。これは、一般的には電極活物質、バインダー(接着剤)、希釈用の水などを撹拌したスラリー状の電極を支持基板に塗工・乾燥し、剥離してから電極、セパレーター、集電体を積層するものだ。

 一方で、昨今ではインクジェット(IJ)法、真空蒸着法、フィルム法といった製造プロセスも提案されている。その背景には低コスト化、タクトタイムの短縮、高い柔軟性といった要求があるが、2019年中にも量産が始まる全固体電池の存在も大きい。新たに提案されている製造プロセスについてまとめてみた。

注目集まるIJ法

 IJ法は一部の海外LiBメーカーが量産現場に適用し、低コスト化に大いに貢献してきた技術。最大のメリットが版下を使う必要がない点で、デジタルデータを基にIJヘッドから吐出するだけで直接的に部材を形成できる。また、プロセスも簡易になり、タクトタイムを短縮できる。プロセスの段取りも、ヘッドとインクの交換だけで済む。さらに、多品種生産のために複数の製造ラインを持つ必要がないほか、必要な部分だけに印刷するため部材の無駄を省くことができる。

 19年1月に開催された「nano tech 2019 第18回 国際ナノテクノロジー総合展・技術会議」では、㈱リコーがIJ法を活用したLiB製造プロセスを発表し、会場内の注目を集めた。これは、LiBを構成する電極やセパレーターなどをインク化し、狙った場所に重ねてデジタル印刷することでLiBを製造するもの。

 具体的には集電体を支持基板として電極を形成し、その上にセパレーターなどを作り込んでいく。将来的にはデバイス上にLiBを直接印刷する技術も確立していく考えだ。

 同社はこれまで、LiBに用いられているほとんどの種類の部材をインク化することに成功。これら部材をIJヘッドから吐出することで、様々な形状のLiBを所望の場所に製造できる。

 例えば、タブレットの基板の中央や隅、またはメガネのつる内部に作り込むことも可能だ。しかも、ひとつひとつのカスタマイズにも柔軟に対応できる。これにより、IoTやウエアラブルデバイスのような多様なデザインに応じたLiBの製造に対応する。タクトタイムの大幅な短縮も実現しており、パッケージまでの印刷で設計以降の製造時間を従来プロセス比1/2に抑えた。

 ビジネス形態としては、当初、受注生産で対応し、その後、IJプリンターなどをカスタマーに提供していく。2年後をめどに売上高1000億円を目指す。

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最終更新:4/15(月) 20:20
LIMO

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