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つまずかない大学生活!「発達障害」新入生の準備講座 阪大支援プログラムの3日間

4/16(火) 16:32配信

47NEWS

 1時間ほどのキャンパスツアーの間、緊張からか会話したり質問したりする学生はほとんどいない。表情は硬く、打ち解けるそぶりもない。

 3日間のプログラムはさまざまな授業の組み合わせで構成される。授業ごとに使う棟や教室をバラバラに設定し、あえて複雑な移動を経験できるようにした。大学ではチャイムも鳴らない。「10―15分は余裕を持って教室に向かったほうがいいよ」。迷路のような構造の中で混乱しないよう、階段手前にある案内板を見ることなどを勧めた。

 学生生活を安全に送るための態度を学ぶ「学生生活と安全」や、ストレスなどから不適応に陥った時の対処法や工夫についてレクチャーする「精神保健」の講義も組み入れた。「3食の食事、7~8時間の睡眠、夜更かししない。これが守れないと黄色信号だから」。規則正しい生活リズムと体調管理が学生生活の継続に重要であると説く。

 発達障害には、コミュニケーションが苦手な広汎性発達障害(PDD)や、落ち着きがない注意欠陥多動性障害(ADHD)、読み書きや計算などに困難がある学習障害(LD)などがある。

 大阪大によると、発達障害の学生は高校まで勉強ができても、知らない学生とのやりとりが一気に増え、横で常に促してくれる先生もいない大学になるとつまずき、精神疾患を発症するケースも。卒業率や就職率は、他の障害を有する学生と比べても低い。

 初日午後は、英語のニュースなどをネーティブの速度で聞き、内容理解について英語で質問に答える授業。誰もが「ついていけない」と気後れするような高度な内容だが、あえて経験したことのない〝過酷な〟環境に直面させる試みだ。まるで水替えをしたばかりの金魚鉢の中のように、学生らはとまどいを見せていたが、いずれは訪れる試練。諏訪氏は「大学で始まる目新しい授業にひるんでしまい、出席できなくなる学生がとても多い。でも要はうまくやればいい。要領の良さや臨機応変さの素地をつくってもらいたい」と話す。

 授業後、ある男子学生が質問に来た。「予備知識があれば(授業は)分かりやすいですか」とたどたどしく尋ねる。立ち話でアドバイスを始めた諏訪氏だが、学生は「頭がパンクしそう。メモしていいですか」と情報過多な状況に頭を抱えた。すると椅子に腰掛けるよう促し、丁寧に諭した。「下調べをすれば(英語の授業でも)内容を理解しやすくなるよね」

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最終更新:4/16(火) 17:03
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