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あこがれの兄が「姉」になった日……弟が抱いた「怒り」の正体 「兄がいなくなった、じゃあ何者なんだ!」

4/19(金) 7:00配信

withnews

 都心近郊に住み不動産業に就いている大輝さん(31)は過去、驚きの体験をしました。男ばかりの3人兄弟の真ん中として育ち、2歳年上の兄が憧れの存在でした。しかし、ある日、両親がその兄の性同一性障害と容姿が女性に変化していくことを告げてきたのです。その時、大輝さんが抱いた感想は「『怒り』に近いもの」でした。(朝日新聞記者・高野真吾)

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「兄は何者なんだ」

 「僕は、やんちゃな時の兄にあこがれていました。一気に、目の前にあった、あこがれがなくなったのです。正直に申し上げると、感情としては『怒り』に近いものが湧きました」

 「兄がいなくなった、あこがれていた男がいなくなった。男ですらなくなった。じゃあ、(兄は)何者なんだと」

 都内にある飲食店の2階で行ったインタビューの最中。両親から「兄」が「姉」になる事実を知らされた時を振り返り、大輝さんは、こう言葉をつなぎました。言葉を荒らげることはありませんでしたが、「怒り」という強い感情の言葉を口にしました。

 大輝さんは普段は非常に柔和で、誰からも好青年と思われるタイプです。その彼が感じた「怒り」とは何だったのでしょう?

尊敬し、信頼する間柄に

 大輝さんの「兄」は、東京・新宿2丁目などで女装バーなど複数の店舗を経営するモカさん(33)です。モカさんは元男性で今は女性のトランスジェンダー。24歳の時にタイで性別適合手術を受け、その数年後には戸籍も男性から女性にしています。

 いまの2人は、とても仲良しです。会う頻度こそ、さほど多くはありませんが、大輝さんにモカさんがちょくちょく電話してきます。不動産業の大輝さんに物件探しを依頼するほか、不動産を探しているモカさんの友人・知人を紹介してくるそうです。

 お互いをどう思っているか聞いてみたところ、大輝さんはモカさんを尊敬し、モカさんは大輝さんを信頼していました。理想の姉弟という印象を記者は持っています。

 しかし、2人の関係は、大輝さんが「怒り」の感情を抱いた2006年ごろは全く違っていました。

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最終更新:4/25(木) 14:40
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