ここから本文です

火10吉高由里子「わたし、定時で帰ります。」  無茶苦茶ブラック上司に立ち向かえ! 「定時で帰る」vs「死ぬ気でやろう」のお仕事ドラマ

4/16(火) 10:41配信

ねとらぼ

無謀な作戦を決行した日本軍とダブるブラック上司

 部下にムチャを課す上司、そしてそれを受け入れる部下たち。この状況を、結衣は戦時中の日本軍の無謀な作戦とダブらせて悲観した。この作戦に参加した結衣の祖父は、日記に思いを記していた。

 「真に恐ろしいのは敵にあらず。無能な上司なり」

 そうはさせまいと結衣が立ち上がり、自ら動くと決意するに至るくだりはこの作品のクライマックスだ。残業しない組織づくりに彼女はまい進するのだ。しかし、彼女もいつしか無謀の最前線に立たざるを得なくなる。

 とはいえ、結衣は孤軍奮闘しているわけじゃない。彼女のモットーを理解する元恋人の晃太郎は心強い存在。しかし、彼は“ブラック上司”福永の右腕でもある。スーパーサラリーマンゆえに、福永からの信頼も厚い。文字通り休む間もない長時間労働と生産性で福永のピンチを何度も救ってきたワーカホリック。果たして、結衣の真の敵は誰なのか?

 仕事の効率、人間関係、早出、徹夜、休日出勤、持ち帰り仕事、会社に宿泊……、現代の働き方の問題点が「わたし、定時で帰ります。」には凝縮されている。ポップなガワして、身につまされるリアリティー十分のメッセージ性をはらむ小説だった。

 だからこそ、実写化には意義があるのだ。「定時で帰る」を悪にする風潮と、働き方改革の到来。両者のはざまにふさわしいドラマになることを願う。

(ねとらぼGirlSide/寺西ジャジューカ)

ねとらぼ

2/2ページ

最終更新:4/17(水) 19:34
ねとらぼ

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事