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中国エコカー市場の覇権にらむ 上海モーターショーにEV戦略車

4/16(火) 20:58配信

毎日新聞

 【上海・赤間清広】世界最大の自動車市場の中国で16日、大規模自動車見本市の上海モーターショーが開幕した。足元の市場環境が冷え込む中、電気自動車(EV)など成長分野に各社が戦略モデルを投入した。

 トヨタ自動車はEVの新モデル2車種を世界初公開し、2020年に発売すると発表した。トヨタが中国市場に投入する初のEVとなる。吉田守孝副社長は「中国は電動化などの技術革新で世界をリードしている」と強調した。

 中国では今年から自動車メーカーにEVなど新エネルギー車の製造を義務付ける新たな規制が導入され、自動車各社はEVシフトを加速させている。

 ただし、各社がEVに注力するのは規制だけが理由ではない。3月の中国の新車販売は景気減速を受けて9カ月連続の前年実績割れとなったが、新エネ車だけは前年同月比85・4%増と好調だった。中国政府の手厚い支援が背景にあり、中国EV大手、比亜迪(BYD)の王伝福会長は「30年には自家用を含め全面的にEVに切り替わる」と強調。各社のEVシフトは、将来の主戦場となる中国エコカー市場の争奪戦でもある。

 一方、モーターショーでは、中国メーカーが通信機能を強化したコネクテッドカー(つながる車)など意欲的な試作車を相次ぎ公開した。中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)など中国のハイテク企業も次世代自動車の開発に参入しており、関連技術が飛躍的に向上している。

 「コネクテッドカーなどの技術では既に中国が先行しつつある」。日産自動車の中国合弁会社トップを務める内田誠専務執行役員はこう指摘する。日産は今月、ルノーと共同で上海に研究開発拠点を設置した。コネクテッドカーやEV、自動運転など中国で磨かれた技術を取り込む狙いがある。

 中国の自動車市場に関しては「これまでのような成長はもうあり得ない。緩やかな成長に移行していく」(三菱自動車の益子修・会長兼最高経営責任者)との見方もあるが、米国の1.6倍を誇る巨大市場の価値は当面、揺るぎそうにない。技術面でも中国の存在感が高まる中、自動車各社の中国重視の姿勢は今後も続きそうだ。

最終更新:4/16(火) 20:58
毎日新聞

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