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「脱ダム」嘉田前知事、建設容認に疑問表明 滋賀・大戸川ダム

4/16(火) 21:31配信

毎日新聞

 国が計画し、建設が凍結されている大戸川(だいどがわ)ダム(大津市)を巡り、滋賀県の三日月大造知事は16日の記者会見で、建設を容認する方針を正式発表した。一方、2008年に京都、大阪、三重各府県知事とともに建設の凍結を求める共同見解を発表した嘉田由紀子前知事も同日、会見し、三日月氏の判断に疑問を呈した。

 国は嘉田氏ら4府県知事の共同見解を受け、09年に大戸川ダムの事業凍結を決定した。その後、国土交通省近畿地方整備局は16年2月、治水対策としてダム建設が有利とする評価案を公表。滋賀県が独自に設けた勉強会も今年3月、ダムの治水効果を認める報告をまとめた。

 会見で三日月知事は、勉強会の報告を引き合いに「一定の治水効果があることが分かった。近年、全国で発生した豪雨でも、備えの重要性が認識されている」と方針転換の理由を説明した。ただ、嘉田氏が進めた、ダムだけに頼らない「脱ダム」路線には「方針は継続したい」と強調した。

 一方、嘉田氏は会見で「ダムに一定の治水効果があることは、以前から分かっている。ダムは副作用もたくさんあり、必要性は費用や環境への影響、維持管理のあり方などを含めて総合的に判断すべきだ」とし、三日月知事の判断に疑問を呈した。三日月氏は引退した嘉田氏の後継として14年に初当選。18年にはダム建設に賛成する自民党の支援も受け、再選した。

 一方、大阪府の吉村洋文知事は報道陣に「大阪府は河川の治水を強化して府民の命を守るという方向で進めてきた。巨大な公共事業であるダムがどれだけ効果があるのか検証しなければならない」と述べ、独自の検証委員会を発足させる考えを明らかにした。

 京都府の西脇隆俊知事は「コメントする立場にないが、滋賀県の動きを見守りたい」との談話を発表した。【北出昭、成松秋穂、津久井達】

最終更新:4/16(火) 22:22
毎日新聞

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