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屋根3分の2、尖塔崩落=世界遺産のノートルダム大聖堂-鎮火に半日以上

4/16(火) 17:57配信

時事通信

 【パリ時事】フランスのパリ中心部にある観光名所のノートルダム大聖堂で15日午後6時50分(日本時間16日午前1時50分)ごろ、大規模な火災が発生し、屋根の3分の2と尖塔(せんとう)が焼け落ちた。

 消防当局は16日午前(同夕)、「完全な鎮火」を宣言した。当局は出火原因の特定と修復に向けた被害状況の確認を急ぐ。

 大聖堂は老朽化が進み、尖塔を中心に大規模な改修工事が行われていた。火元は屋根に組まれていた作業の足場付近とみられている。火災は瞬く間に広がり、木材が多く使われた高さ約90メートルの尖塔は約1時間で崩落した。

 消防当局は約400人の隊員を動員し、大聖堂の外側と内側から消火活動に当たったが、完全に消し止めるまでに半日以上を要した。

 一方、正面の2基の塔と、大聖堂の柱やアーチなどの内部構造は無事だった。大聖堂の広報担当者によると、12~13世紀に制作された「バラ窓」と呼ばれる3枚のステンドグラスも焼失を免れた。パイプオルガンに火は届かなかったものの、放水の影響で多少傷んだ可能性はあるという。広報担当者は仏メディアに「奇跡だ」と語った。

 リーステール文化相は記者団に対し、イエス・キリストが磔刑(たっけい)に処される際にかぶっていたとされる「いばらの冠」や、国王ルイ9世(聖ルイ)が着ていたとされる服など重要な文化財は「夜のうちにパリ市庁舎に運ばれた」と説明。残りの文化財についても「できるだけ早くルーブル美術館に移す」と述べた。

 マクロン大統領は15日夜、「最悪の事態は免れた。われわれは大聖堂を再建する」と明言。世界中から寄付金を募ると訴えた。仏当局は大聖堂の被害状況を確認し、一刻も早い修復に着手する方針だ。

 検察官は16日、記者団に対し「意図的な行為を示すものは何もない」と述べ、出火原因は放火ではなく失火とみられると説明した。仏メディアによると、司法当局が既に現場作業員から聞き取りを行った。

 大聖堂は1345年の完成以来、大きな火災に見舞われることなく、フランス革命や二つの大戦も生き延びた。1991年、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産に登録され、毎年約1300万人の観光客が訪れる。 

最終更新:4/17(水) 14:13
時事通信

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