ここから本文です

88歳のゴダール監督、5年ぶりラジオ出演で次作に言及

4/16(火) 22:44配信

オリコン

『勝手にしやがれ』(1959年)、『気狂いピエロ』(65年)をはじめ数々の名作を世に送り出してきたヌーヴェルヴァーグの巨匠、ジャン=リュック・ゴダール監督(88)が、フランス時間15日正午より、現地のラジオ局「France Culture(フランス・キュルチュール)」の番組『La Grande Table(ラ・グランド・ターブル)』に出演。国内外のラジオ出演は実に5年ぶりとなる中、次作の仮タイトルは『シナリオ』だと語った。

【画像】『イメージの本』メインカットやポスター

 米寿を迎えてもなお精力的に新作を作り続け、私たちに刺激的な映画を見せてくれるゴダール監督。その最新作『イメージの本』が、今月20日から東京・シネスイッチ銀座ほかで全国公開される。

 ラジオで放送されたのは、ゴダール監督の自宅で2週間前に収録された最新ロングインタビュー。ゴダール監督は次作について、「作者は脚本家であるべきだ。テキストが重要視されるべきで、例えば『勝手にしやがれ』の“作者”は私じゃない。トリュフォー(原案のフランソワ・トリュフォー)なんだよ」と語った。

 ヌーヴェルヴァーグについて「フランス人はフランスに注目が集まらないと悲しむが、ヌーヴェルヴァーグは違った。3~4人の少年が家でも学校でも教えてもらえなかった大陸があると発見したのが始まりだ」と回想した。

 また、「写真をたくさん撮っていた母から映像“イマージュ”を教わった。母は写真が上手で、子どもたち皆の写真を撮っていて、それぞれがアルバムを持っていた。私のアルバムは失くしてしまったけれど、私が写っている写真も何枚か『イメージの本』の中で使っている」と自身の源流にも触れていた。

 『イメージの本』においてゴダール監督は「私たちに未来を指し示すのは“アーカイヴ”である」という言葉を残しているが、彼は自身を「映画界の考古学者」と位置付けている。「考古学者は記録保管者(アーキヴィスト)より崇高だ。アーキヴィストは分類するが、考古学者は歴史を彫る。彫刻家はシナリオを持たずに大理石と対峙し、それから“見る”んだ。DVDがなくなるのは残念だよ。だんだん作られなくなって、Amazonで買うのも難しくなるだろう。映画の歴史もそこで終わる。配信ばかりになるだろう…今まで私がやってきた考古学的なアプローチはできなくなるんだ」と、若者を中心にインターネットで映画を見る傾向が強まっていることにも言及していた。

 さらに、「言い争いは好きだが、戦争はイヤだね。もし墓を作るなら…絶対に作らないけど、作るなら、私の墓には『その反対に(au contraire)』、アンヌ=マリーの墓には『疑わしい(jʼai des doutes)』と入れたい」とユーモアをのぞかせた場面も。

 最後に、「5つの章、5つの指、5つの大陸からなる最新作『イメージの本』、その中心の“地域”は︖」という質問に対し、「この映画の中心は、“愛”だよ」と締めくくっていた。

 『イメージの本』は、現代の暴⼒、戦争、不和の世界に対する彼の怒りをのせて、この世界が向かおうとする未来を指し⽰す5章からなる物語。新撮シーンにこれまでの絵画(TABLEAUX)、映画(FILMS)、テキスト(TEXTES)、⾳楽(MUSIQUE)を巧みにコラージュし、84分間にわたって観客の想像⼒を縦横無尽に刺激し続ける。ゴダール監督自らナレーションも担当している。昨年5月に行われた『第71回カンヌ国際映画祭』で、映画祭史上初、最高賞パルムドールを超える”スペシャル・パルムドール”が特別に設けられ授与された。

最終更新:4/18(木) 11:25
オリコン

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事