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GIST診断法や最新治療法紹介 川崎医科大病院、患者の交流も

4/16(火) 10:58配信

山陽新聞デジタル

 「ショーケン」こと萩原健一さんの命を奪ったGIST(ジスト)=消化管間質腫瘍は、発症率が10万人に1~2人というまれながんだ。臨床データが乏しく、診断がつくまでに時間がかかり、治療が遅れてしまうケースも少なくない。川崎医科大学附属病院(岡山県倉敷市松島)にはGISTの専門医がおり、積極的に患者を受け入れている。公開セミナーも開き、正確な診断法や最新の治療法の情報提供に取り組む。全国から訪れる患者や家族にとって、闘病の悩みを語り合う貴重な交流の場ともなっている。

信頼できる医療機関で正確な診断を
川崎医科大学附属病院 山村臨床腫瘍科医長 セミナーで訴え

 GISTは消化管の壁の内部にできる。通常のがんは表面の粘膜に発生し、内視鏡で観察できるが、GISTは粘膜下の固有筋層に発生する=イラスト参照=ため、超音波やCT、MRIで見たり、針を刺して組織を調べる生検で診断しなければならない。自覚症状が出にくく、健診・検診で偶然に見つかるケースが多い。

 GISTは遺伝子の突然変異により、特定のタンパク質が異常増殖して腫瘍化する。なぜ変異が起こるのかは解明されていない。60~70%は胃にできる。十二指腸・小腸が20~30%、直腸が5%程度とされる。

 川崎医科大学附属病院では、臨床腫瘍科の山村真弘医長が診療チームのチーフを務める。3月16日に開かれた第8回のセミナーでは、山村医長が治療の第一選択肢となる手術について解説。遠隔転移がなければ、腫瘍の大きさにかかわらず適応となり「根治が可能なのは手術のみ。初発なら6~7割は治る」と話した。

 手術困難、転移や再発がある場合、薬物療法を行う。2003年に国内初の治療薬となる「グリベック」(一般名イマチニブ)が登場し、現在は「スーテント」(スニチニブ)、「スチバーガ」(レゴラフェニブ)を加えた計3剤の分子標的薬が使える。それぞれ効果が乏しくなれば次の薬に切り替える。

 腫瘍の大きさが10センチを超えるなど、初発でも再発リスクの高い患者は、手術で腫瘍を取りきっても、補助療法として「グリベック」を服用する。山村医長は「一人一人に対してどの薬を選択し、用量をどう調整するか、耐性が出てくる時期を見極めるのも重要」と指摘する。

 オプジーボなどの免疫チェックポイント阻害剤については、今のところ目立った効果は報告されていないという。

 大切なのは信頼できる医療機関で正確な診断を受けること。山村医長は「誤った診断を下されれば望まぬ治療を受けることになる。納得できなければ、私たちの診療科などでセカンドオピニオンを利用してほしい」と呼び掛けている。

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最終更新:4/16(火) 11:00
山陽新聞デジタル

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