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「777」減産「MRJ」低迷、中部の航空機サプライヤーは他分野でしのぐ

4/16(火) 10:43配信

ニュースイッチ

 重工業大手の航空機の工場が立地する中部地方で、サプライヤーが航空機以外の開拓に乗り出している。米ボーイング機の部品加工や組み立てを主力としてきたが、大型機「777」は次世代機「777X」への端境期で減産が続き、仕事量は落ち込む。三菱航空機(愛知県豊山町)が開発中の国産小型ジェット旅客機「MRJ」も生産本格化は先だ。各社とも経営の低空飛行を避けるため、別の業種や分野を収益源にしようと翼を広げる。

<旭精機、EV電池缶需要でプレス機増産>

 「航空機関連は一時縮小も仕方ない」―。旭精機工業の山口央社長は事業の現状を吐露する。三菱重工業を通じて、777や中大型機「787」の機体部品を加工してきた。ボーイングは2020年に777Xの初号機納入を予定する。

 日本企業が機体製造の約21%を担当し、三菱重工は後胴を製造する。旭精機は後胴の大型部品を担当するが、生産の本格化はまだ先だ。山口社長は「777X向けがどれほど増えるか次第」と今後を見通す。

 MRJの部品製造も担うが、思うようにペースが上がらない。三菱重工の神戸造船所(神戸市兵庫区)内に16年末に開設した工場で主翼と中央翼の部品を担当する。だが、神戸では部品加工をほとんどできていない。

 三菱重工は17年1月にMRJの量産初号機の5度目の納入延期を決めた。ANAホールディングスへの納入予定時期が18年半ばから20年半ばに遅れたことで、生産計画も後ろ倒しを余儀なくされた。

 旭精機は航空機部品が落ち込むが、経営を支えるもう一つの翼であるプレス機は好調だ。リチウムイオン電池の缶を製造する機械で、中国での電気自動車(EV)需要の増加を受け、EV搭載用電池缶の加工需要が高まっている。18年9月には本社工場の新棟が完成し、プレス機の増産体制を整えた。

 同社はバネ機械や自動車部品も手がけており、航空機の落ち込みをカバーできる強みがある。では、航空機が主力の企業は、この下降気流をどう乗り切ろうとしているのか。

<今井航空機器、半導体装置部品を拡大>

 航空機と新規事業開拓の両にらみの部品加工メーカーもある。今井航空機器工業(岐阜県各務原市)は19年中に主力の鳥取工場(鳥取市)に約10億円、マレーシア工場に約8億円投じて生産能力を拡大する。

 鳥取工場では、重工業大手から受注した777X向け部品の生産本格化のため、5軸制御マシニングセンター(MC)など工作機械8台を導入する。鳥取工場は本社地区の4工場が手狭になったため、16年に稼働した。今回の設備投資で、フル生産が実現する。

 マレーシア工場は治具設計、機械加工、表面処理などの一貫生産体制を強みに、海外の部品大手から直接受注してきた。エンジン部品の受注が好調で、年末に工場を拡張する。

 一方の新規分野の開拓では、半導体製造装置の部品の受注拡大を目指す。航空機の加工技術を応用し、受注を増やしている。本社地区の4工場は再編を計画しており、今井哲夫社長は「一つを半導体製造装置に特化した工場にしようと検討している」と構想を披露する。

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最終更新:4/16(火) 10:52
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