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ALSの患者に「時間稼ぎですか?」 文字盤コミュニケーション中、市役所職員の発言に抗議

4/16(火) 17:47配信

BuzzFeed Japan

病気によって声を発することのできない人が道具を使って意思を伝えようとしているのに、役所の職員がからかうような言葉を投げつけたらどんな気持ちになるだろうか?【BuzzFeed Japan Medical / 岩永直子】

筋肉を動かす全身の神経細胞が侵され、体が動かなくなっていく進行性の難病「ALS(筋萎縮性側索硬化症)」。

埼玉県吉川市に住むALSの患者、高田泰洋さん(43)が、訪問調査をした市役所職員に対し文字盤を使って回答しようとしたところ、この職員から「時間稼ぎですか?」などと言われていたことがわかった。

同席していた弁護士がその場ですぐ抗議したが、職員から反省の言葉は未だない。

高田さんの代理人を務める弁護団は4月15日付で中原恵人市長宛てに、「発語機能に障害のある通知人の障害特性を非難・揶揄するもので、絶対に許されざる人権侵害行為であり、強く抗議します」とする抗議声明を内容証明で送付した。

4月16日、埼玉県庁記者クラブで会見した高田さんは、文字盤を使って、「福祉課だから許せない」「ただただ、悔しかった」と訴えた。

公的な介助の必要性を調べるための訪問調査で発言

高田さんは2015年6月、ALSと診断された。現在は、一人で歩いたり手足を動かしたりすることはできず、右手の人差し指をわずかに動かすことだけできる。飲み込む機能が衰えて2017年1月から胃ろうをつけ、夜間だけマスク式の人工呼吸器をつけて生活している。

声も出づらくなったため、1年ぐらい前からヘルパーが掲げる透明な50音の文字盤の文字を、視線の動きや瞬きを使って指定し、ヘルパーがそれを読み上げることで意思を伝えている。

問題の言葉は、4月12日午後3時半頃、吉川市の障がい福祉課の職員3人が介護の必要度がどれほどなのか確認するため、訪問調査をした時に発せられた。

一人の職員が「今、寝返りはご自身でできますか?」という問いに対して、高田さんが文字盤を使って「できない」と答えた直後に、こう発言した。

「時間稼ぎですか?」「できないように見せているのでは?」

立ち会っていた弁護士がすぐさま抗議したが、3人は特に謝罪や反省する言葉もなく、そのまま調査を進めたという。

高田さんは、これまで再三、介護時間の増加を申請してきたにもかかわらず、1ヶ月50時間、つまり1日1時間余りの介護時間しか認められてこなかった。

気管切開による人工呼吸器をつける必要性が主治医に言われるまで病状が進行したため、介護時間の申請に詳しい弁護団をつけて今年1月24日、1日24時間、月間744時間の介護時間を申請。

4月19日に審査会が開かれるのを前に、障がい福祉課の職員が実態調査に訪れて、この発言があった。

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最終更新:4/16(火) 21:12
BuzzFeed Japan

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