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国策企業ジャパンディスプレイが中国資本の傘下へ 付加価値低い事業への資金援助強行の果てに

4/16(火) 11:40配信

THE PAGE

 経営再建中のジャパンディスプレイ(JDI)が、中国の投資ファンドや台湾メーカーなどから金融支援を受けることになりました。同社は日の丸液晶メーカーとして政府が全面支援していましたが、結局は中国資本の傘下に入ることになってしまいました。

 同社は、日立製作所、東芝、ソニーの中小型液晶パネル事業を統合して2012年4月に発足しました。政府系ファンドの産業革新機構が2000億円もの資金を出資した国策企業です。当初は米アップルのiPhone向けにパネルを供給していましたが、それ以外の顧客の開拓がうまくいかず、売上高の多くをアップル1社に依存するといういびつな状況のまま株式の上場を強行。初値が公募価格を大きく下回り、さらに上場からわずか1カ月後に、いきなり業績の下方修正を発表する異常事態となりました。

その後も業績は好転せず、上場直後には一時、800円を上回っていた株価は、現時点では80円台と10分の1近くまで暴落しています。政府が全面支援する企業ということで、株を買った個人投資家もたくさんいましたが、大変な損失を被った状況です。政府はまだ株式を所有していますから、株価の暴落によって国民も間接的に大きな損失を抱えたといってよいでしょう。

 一向に経営状態が好転しないことからとうとう政府もサジを投げてしまい、2016年には世耕経済産業相が「高付加価値の事業を打ち出せなければ、政府としてはJDIの外国企業との連携や売却もあり得る」と発言していました。

 2019年3月期の業績も最終損益が赤字となる見込みで、これが確定すれば5期連続の赤字であり、もはや企業としての体を成していません。

 こうした中、同社は、中国の投資ファンドや台湾の電子部品メーカーなどで構成される投資家連合から、出資を含む800億円の金融支援を受けると発表しました。中国勢の出資比率は49.8%で、筆頭株主であるINCJ(旧産業革新機構)の持株比率は25.3%から12.7%に低下。出資企業とは液晶ディスプレイや蒸着方式有機 EL(OLED)の量産において業務提携します。国策企業として政府が多額の税金をつぎ込んだ企業は、中国の手に渡ることになります。

 液晶という付加価値の低下が著しく価格勝負になってしまう領域の企業に対して、多額の税金を投入して支援することに対しては当初から疑問の声がありました。しかし「オールジャパン」「日の丸デバイスを支援せよ」といったかけ声に押され、無理な資金援助が強行された形です。

 伸びる事業に投資しなければリターンを得ることはできないというのは市場の基本的な原理原則です。国策ファンドのあり方について、あらためて疑問の声が上がりそうです。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:4/16(火) 11:40
THE PAGE

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