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レクサス 新型「RC F」海外試乗|大排気量NAの実力を試す

4/16(火) 16:10配信

オートックワン

ストレスの無い伸びの良さは大排気量NAエンジンが持つ“個性”

一方サーキットでは、かなりフロントヘビーながらも「よくぞここまで!!」と言ったようなフロントの回頭性とトラクションを実感。これはサスペンションのリセッティングに加えて、ミシュラン・パイロットスポーツ4Sが大きく寄与しているだろう。

パワートレインはドライブモード「ノーマル」は意外と穏やか、逆にスポーツ/スポーツ+は「ちょっと過敏すぎ?」と思うくらいレスポンシブルだ。相変わらず、高回転までストレスなく回る伸びの良さはダウンサイジングターボにはない“個性”である。

トラックエディションが持つ、2つの顔

ちなみにオールマイティなノーマルに対して、トラックエディションは二つの顔を持つ。
一般道をドライブモード「ノーマル」で乗ると、「本当にサーキットスペック?」と思うくらい軽やかかつ快適な足さばきを見せる。ノーマルより22kg軽量のブレンボ製カーボンセラミックブレーキと2.8kg軽量のBBS製軽量アルミホイール採用によるバネ下重量の低減の効果だ。

ただ、ドライブモード「スポーツ+」だと、路面のギャップ判定機のようにハードなセットに変貌する。弦本氏は「スポーツ+はサーキットに割り切っているので、一般道ではお勧めしません」と語るが、まさにその通りである(笑)。

サーキットで感じた、トラックエディションとノーマルの“数値以上”の差

サーキットではノーマルをより研ぎ澄まし、ストライクゾーンをセンターに持ってきた印象だ。トラックエディションはノーマルよりも60kg軽量設計となっているが、ノーズの入りの良さはもちろん、S字のように切り返しが必要なコーナーでは無駄な動きを抑えた身のこなしと、しなやかな足さばきも相まって、体感上は数値以上の差だ。感覚的には一クラス小さいサイズのクルマに乗っているようなイメージで、リズムよく軽快に走らせることが可能だ。

また、電子制御を全OFFで走らせても従来のようにヒヤッとするような動きは抑えられ、クルマの動きも予測しやすくなっていることから、ビギナードライバーでも積極的にテールスライドを楽しめるのも嬉しい進化の一つだろう。つまり、クルマが軽くなったことでハンドリングの“懐”も深くなっている。

パワートレインの印象はノーマルと大きく変わらないが、疑似音などを使わずチタンマフラーが奏でる混じり気なしの“生音”を聞くと、思わずニヤッとしてしまう。ただ、トラックエディションはシャシーとのバランスを考えると、個人的にはエンジン制御はスポーツ/スポーツ+がデフォルトでいいと思った。

ブレーキはノーマルだけ乗っていれば全く不満は出ないと思うが、一度カーボンディスクブレーキのタッチとコントロール性を味わってしまうと……ちょっと戻れないかも。

結論、「最新のFは最良のF」である事は間違いないが、今回の改良の“伸び幅”はかなり大きい。旧シャシーながらレクサスが目指す「スッキリと奥深い走り」が感じられることから、着実にTNGAの知見がフィードバックされている。恐らく、従来モデルのユーザーだったら“箱替え”したくなるはず。

もちろんライバル……ジャーマン3と比べると基本設計の古さを感じてしまうのも事実だが、現行モデルとしては“完成形”と言っていい。さらに、このご時世に「大排気量NA+FR」と言う組み合わせを残していることにも感謝すべきかもしれない。

[筆者:山本 シンヤ/撮影:レクサスインターナショナル]

山本 シンヤ

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最終更新:4/16(火) 18:44
オートックワン

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