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入所者が県議選投票できず 高岡の障害者支援施設

4/16(火) 5:00配信

北日本新聞

 7日に投開票された県議選で、高岡市麻生谷の障害者支援施設「新生苑」(南義昭苑長)の入所者5人が、職員の不手際で投票所に行けず、投票できなかったことが15日、分かった。施設側は9日に入所者に謝罪した。取材に対し、南苑長は「入所者に大変申し訳ないことをした」と話した。

 新生苑ではこれまで投票日当日、日勤の職員に加えて1~2人増員し、投票の意思を示した入所者に付き添って、投票所へ車などで送迎していた。

 同施設によると、今回の県議選では投票の意思を示していた30~60代の入所者5人が投票に行く予定だった。担当職員が準備を進めていたが、引率する職員を配置していなかったため、入所者を送迎できなかった。南苑長らは増員されていないことに気付いておらず、職員も連絡しなかった。

 南苑長らは8日朝に5人が投票に行けなかったことを知り、職員に事実を確認した上で、9日夕方に入所者を集めて謝罪した。

 県障害福祉課によると、15日午後に南苑長が同課を訪れて事情を報告した。同課は「投票は民主主義の根幹に関わる。事の重大さをしっかり理解し、二度と起きないようにしてほしい」とした。

 同施設は県内初の知的障害者援護施設として、1962年に「県立新生園」として設置。2012年4月には社会福祉法人「たかおか新生会」に運営が移管され、「新生苑」としてスタートした。現在は18~82歳の58人が入所している。


■知的・精神障害者に支援を

 県選挙管理委員会によると、施設に入所する障害者や高齢者の投票の機会を確保するため、公選法では施設内で不在者投票ができる制度や、郵送による不在者投票制度がある。ただ、投票所までの移動が難しい身体障害者や高齢者が対象となっている。

 不在者投票は県選管が指定した施設で行われる。今回の県議選では病院や老人ホーム、身障者施設など計235カ所が指定された。郵送による投票は、両脚などに障害のある人や介護認定で最も重い要介護5の人が対象。いずれの方法も、投票所まで足を運べない人のための制度となっている。

 知的障害者や精神障害者について公選法上の支援制度はないものの、県選管は「入所者の投票機会が確保されることは重要」と指摘する。

 富山市内の障害者支援施設は、今回の県議選で入所者に投票の意思を確認。行く意思を示した数人について、職員が投票所まで同行した。

 県選管は、職員だけでなく家族やボランティアが付き添うなど手段はさまざま考えられるとし、「投票は入所者が政治に参加する一番の機会。本人が希望する場合、何らかの方法でかなえられるよう支援されることが大事」としている。

北日本新聞社

最終更新:4/16(火) 5:00
北日本新聞

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