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渋沢栄一ならメタボの資本主義に危機感、民間力向上を-玄孫語る

4/16(火) 0:01配信

Bloomberg

(ブルームバーグ): 日本の資本主義はぜい肉が多くなった-。2024年に登場する新1万円紙幣の顔は、現在ならこう言葉を投げかけるかもしれない。渋沢栄一氏の4代後の玄孫にあたり、同氏の研究家としても知られるコモンズ投信の渋沢健会長に聞いた。

--渋沢栄一氏が新紙幣の顔として選ばれた印象は  「驚いた。元号が変わった後のタイミングで、今までなかった経済人が紙幣の顔になる。海外でも経済人はあまり見たことがない。元号と同じく新紙幣も長い準備期間があったと考えられることから、新しい時代へのメッセージがかなりあると考えたくなる」

--なぜこのタイミングでの採用となったと考えられるのか  「資本主義は現在、格差やブラック企業、ショートターミズム(市場の短期主義)といった様々な問題点があるとされる。その中であえて500社程度の会社を作り資本主義の原点を象徴する人物を顔にした。紙幣が出るのは東京オリンピックが終わって大阪万博の前の年。大阪万博はサステイナブルな社会作りが大きなテーマになっている。それは栄一が1916年に出版した『論語と算盤(そろばん)』と基本的に同じメッセージだ」

--サステイナブルな社会とは  「論語と算盤が出版されたのは、日本が先進国に追いつく明治時代を経て、1912年に元号が大正に変わった新たな時代意識が広がったころ。事業・経済の繁栄には算盤が必要だが、それだけを見つめているとどこかでつまづく。仮に1個人だけ大富豪になっても社会多数が貧困に陥るような事業であったら、いくら富を積んでもその幸福は継続されないと説いている。論語も必要で、正しい道理の富でなければ永続しない」

--栄一氏はなぜ多くの企業の立ち上げに関われたのか  「シリアルアントレプレナー(連続起業家)でベンチャーキャピタリストだった。現在のみずほフィナンシャルグループなど立ち上げた会社に長居することなく、軌道に乗れば次にバトンタッチして立ち上げに徹していた。より多くの人々が会社の出資者になって応援し、より多くの人々が利益を受けられる立場で考えていた。東京証券取引所を作ったのもエグジットが目的ではなく、あくまで手段として。国力を高めることがライフワークのため、社会として必要であればいかに小さい事業でも心から楽しんだ」

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最終更新:4/16(火) 12:30
Bloomberg

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