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<北朝鮮報告for Pro>協同農場はどうなっているのか?(1) 「圃田担当制」の実態を探る 石丸次郎

4/17(水) 17:38配信 有料

アジアプレス・ネットワーク

◆はじめに

(参考写真)収穫した大豆を牛車に山積みにして運ぶ農村女性。2008年10月に平壌郊外の農村で撮影チャン・ジョンギル(アジアプレス)

アジアプレスでは、北朝鮮国内の取材パートナーと協力して、2018年秋から協同農場の実態調査を行っている。北朝鮮は社会主義の集団農業制度を維持しているが、金正恩時代に入ってから、実際に耕作に当たる集団である「分組」の人数を減らして家族単位に近づけるとともに、国に納める計画量(ノルマ)以上の生産分については自由処分できるようにするなど、「圃田担当制」と呼ばれる制度改革を段階的に実施して来た。農民の労働意欲を高めることで増産に結び付けようという新施策である。

しかし、この「圃田担当制」が、具体的にどのように運用されているのかについては、実態はベールに包まれたままである。在日朝鮮総連の機関紙「朝鮮新報」上で当局者である農業担当幹部が説明したり、訪朝した日本人ジャーナリストや研究者の質問に当局者が答えたりすることはあったが、それはあくまで公式見解であった。その実像を知るべく、アジアプレスでは2013年以来、断続的に各地の協同農場で調査を行ってきた。

私たちのこの度の農場調査には、様々な限界と制約があったことを記しておきたい。まず、そのひとつ目は調査する農場の選択の問題である。穀倉地帯の黄海道(ファンヘド)の大規模農場を、時間をかけて調査したかったが、よそ者が長期滞在することは困難な上、怪しまれて危険である。

そのため、取材パートナーが通うことができる北部地域の農場を選択した。そこはトウモロコシとジャガイモを主に生産する農場であったため、稲作農場の運営実態についてはよく分からない。二つ目に、調査者が都市住民であるため、農業の専門性に欠けるという弱点があった。

調査した農場の場所と名前については、「北部地域のA農場」としか明らかにできないことご了解願いたい。調査者の安全のためである。A農場は、規模も生産量、人員も北部地域の平均的な農場である。報告は、あまり専門的にならないよう問答式で整理した。 本文:2,773文字 写真:2枚

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最終更新:4/17(水) 17:38
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